紛争解決方法

大きく分けると、裁判か仲裁かに分かれます。

時々レビューを依頼される契約書において裁判と仲裁の両方が記載されているものも見かけますが、それは矛盾であり、いずれか一方に決めるべきです。

その上で、どの国の裁判か仲裁かを決める必要があります。

仲裁について、日本も力を入れてはいますが、アジアでは香港かシンガポールが一般的です。香港は最近は政治情勢が不安定であることから、シンガポールが増えている印象です。しかし、シンガポールの仲裁は多額の費用を要しますので、少額の案件では利用は実務上困難です。

実際に利用する場合、どのような場面が想定されるのかを踏まえた上で紛争解決方法を決める必要があります。

そのためには、自社の方が立場上優位だからといって、日本の裁判所を紛争解決方法にすれば常に良いというわけではありません。日本の裁判所で勝ったとしても、相手方が日本に資産を有していなければ執行できず、かつ、日本の裁判所の判決を相手方の国でも執行できるのはそのような条約が締結されている国でのみであり、ごく一部の国に限られます。したがって、相手の債務不履行の可能性の方が高い場合には、相手国の裁判所を紛争解決方法として利点がある場合もあるということにご留意下さい。

契約書の作成やレビューも多数経験がありますので、いつでもご連絡下さい。