「アジアの労務コスト比較」

ジェトロより、アジアの労務コスト比較に関するレポートが出されています。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/cbdf0cefc691ae25.html

上記資料は進出時の賃金コストを考慮する際の参考になりますが、業種によって直ちにこの賃金水準を鵜呑みにすることは避ける必要があります。このレポートの図1に記載のあるとおり、この賃金水準は製造業の作業員です。少なくとも、東南アジアの多くの工場の作業員は、未経験者の場合は最低賃金で雇用されることが多いです。他方、日系企業の事務職の場合、通常は英語又は日本語ができる人を雇用することが多く、その場合には何倍もの賃金水準になります。また、国によって英語ができる人材の数は異なり、ミャンマーやタイでは英語ができる弁護士の採用には苦労しました。他方、マレーシアでは英語力はほとんどの人で問題なく、賃金とパフォーマンスを比較すると、タイとマレーシアでは意外と弁護士の賃金レベルは大きく変わらず、他方でマレーシア弁護士のパフォーマンスの方が良いなど、必ずしも賃金レベルだけでは判断できない要素があります。

実際に雇用する際には、上記のような賃金レポートや人材紹介会社に賃金相場を聞いた上で賃金を決めることとなります。