「ミャンマーからの撤退手続き」

撤退続きとして、大きく分けると①会社法に基づく株主または債権者による任意清算、②会社法に基づく裁判所が関与する強制清算、③倒産法に基づく倒産、④株式譲渡の4つの方法が存在します。

これらのうち、実務上は多くの外国会社が①会社法に基づく任意清算によって撤退します。任意清算の際の前提として、清算が開始された場合、会社は、清算開始時点から、清算にとって有益となる場合を除き、事業を中止する必要があります。会社法上の株主による任意清算の主な流れは以下のとおりです。

(1) 清算のための取締役会を開催する。

(2) 取締役による弁済能力宣誓書の作成。

(3) Myanmar Companies Online(以下「MyCO」という)を通じて任意清算を支持する弁済能力宣誓書(J-4 Form)及び監査報告書の写しなどを提出する。

(4) 株主総会を開催し、清算のための特別決議を行い、清算人を任命する。弁護士が清算人となることが実務上一般的。

(5) MyCOで清算人の任命通知書(J-7 Form)を提出する。

(6) 日刊新聞または官報に、清算のための特別決議を公告する。

(7) 最終の株主総会の招集通知を、官報または日刊新聞に公告し、最終の株主総会を開催する。

(8) MyCOで、最終の株主総会の開催通知(J-5A Form)を提出する。その際に、清算人の当該清算の実施方法及び会社財産の処分方法について示す清算手続の記録の写し、会社の税務処理書類の写しを添付する。

②会社法に基づく裁判所が関与する強制清算は実務上あまり使用されない手段です。③倒産法に基づく倒産について、倒産法は2020年3月25日に施行されたばかりであり、現時点においては実例が存在せず、運用が不明確です。④株式譲渡の方法については、株式を買い取る譲受人を見つける必要がありますが、見つかった場合には株式譲渡契約を締結した上でMyCOを通じて株主変更手続きを行うことで株式譲渡が可能です。