【バングラデシュの産休・育休に関する法制度の概要】

(1) 産休期間

労働法にて、産前産後8週間ずつの産休が定められています(労働法第47条(3))。使用者は、産前10週間産後10週間以内の女性の労働者に、重労働や長時間の立ち仕事、健康を害する可能性のある仕事をさせることはできません(労働法第45条(3))。

(2) 出産給付金

出産前に6か月以上勤務している労働者は、産前8週間産後8週間について出産給付金を受ける権利があります(労働法第46条(1))。ただし、既に2人以上の子供がいる場合は、出産給付金支給の対象外です(同条(2))。年次有給休暇および医療休暇は与えられ、更に休暇が必要な場合は、使用者は無給休暇を与えることができます(労働規則第38条)。出産給付金支給の対象となっている労働者は、出産8週間前または産後7日以内に口頭もしくは書面にて使用者に申請しなければならず(同条(1)(2))、出産給付金の申請は、労働規則に様式(Form17、18、19)が提供されています(労働規則第39条)。出産給付金の支給時期について、対象となる労働者の希望に応じて、産前8週間以内である旨の医師による証明書の発行日から3日以内に産前8週間の出産給付金の支給、出産証明書の発行日から3日以内の産後8週間の出産給付金の支給等が可能です(労働法第47条(4))。出産給付金額は、申請があった日の直近3か月の実働賃金をもとに算出され、現金で支給されます(労働法第48条(1)(2))。産前6か月産後8週間以内に、十分な理由なく解雇が通知された場合でも、出産給付金を受ける権利は失われません(労働法第50条)。出産給付金に関する規定に違反した場合は、25,000タカ以下の罰金が科せられます(労働法第286条)。

(3) 育休

バングラデシュでは、育児休業・育児休暇についての規定はありませんが、独自に休暇制度をもうける民間企業もあり、使用者の裁量に任されています。