【マレーシアの雇用契約及び就業規則の概要と法的留意点】

(1) 労働契約

① 契約方式

雇用法は、1月を超える期間を特定した雇用契約及び特定の作業に従事する雇用契約で1月を超える(可能性のあるものも含む)ものについては、雇用契約書の作成を義務付けていますが、上記以外の雇用契約に関しては契約書の作成は義務ではありません。そのため、基本的には、日本と同様に口頭の合意で労働契約が成立します。もっとも、法律上雇用契約書の作成義務を負わない場合においても、後日の紛争を避けるために、実務上雇用契約書を作成しておくのが望ましいと考えられます。

② 通知事項

雇用規則(Employment Regulations 1957)により、使用者は労働者に対して、労働者の名前及び身分証明書番号、業務内容及び役職、賃金、手当の内容及び額等の一定の事項を通知した上で、情報を保管しなければならないとされています。

(2) 就業規則

 マレーシアでは、法律上の就業規則作成義務はなく、作成は任意となっています。もっとも、工場など多数の労働者を雇用する会社等、多くの会社において、労使関係の安定を目指すため就業規則が作成されているのが実情です。

 就業規則に法的な拘束力を持たせるためには、就業規則記載の労働条件につき労働者との間で合意が成立していると言えることが必要となるため、雇用契約書において就業規則記載の労働条件が適用される旨を記載すること、配布などの方法により就業規則の内容を認識させることが必要となります。

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