【バングラデシュの不動産法制度の概要 】

(1) 不動産の所有

バングラデシュでは、個人の土地・不動産の所有権が認められています。外国人の不動産取得については、憲法や関連する法令で特に規制されていませんが、実務において、政府からの許可等を求められることも多く、法令上、明示的に認められていないことから、外国人による不動産の取得は困難といえます。例えば、バングラデシュ首都整備庁(RAJUK)は、その所有する不動産賃借権を外国人に売却することを禁止しているため、外国人は、RAJUKが所有する土地区画に係る賃借権を取得することはできません。RAJUKは、ダッカ大都市圏の計画と開発管理について責任を負う組織で、中央政府によって指名された委員長及び5人の委員による委員会によって管理されています。

一方、外資企業による不動産の購入は制限されていません。輸出加工区(EPZ)の場合は購入できませんが、長期(30年間)使用権を獲得することができます。

(2) 不動産業への外資規制

不動産業への外資参入について、特別な許認可制度はありませんが、土地登記簿の信用性が低いことなどから、権利関係を明らかにするために時間を要するなど事業を実施するうえでの課題はあります。

(3) 不動産関連の法令

1 1882年財産移転法

不動産又は動産の移転、不動産の売却、不動産の抵当及び税金、不動産の賃貸、交換、贈与等について規定しています。

2 1950 年国家収用及び賃借法

バングラデシュの土地における賃借者の利益及びその他の特定の利益の国家による収用について定め、かかる収用後に国家の下で保持される賃借及びその他の関連事項について規定しています。