【タイにおけるE-コマース関連規制の概要 】

(1) E-コマース関連法

 E-コマースに関連する主要な法律として、以下の法律が定められています。

  1. 電子取引法(Electronic Transactions Act B.E. 2544 (2001))
    1. 国際法をベースに、タイの情勢に合うように修正されたものとなります。この法律は、電子署名や電子取引に関するサービス事業、デジタル本人認証システム、公共分野の電子取引等、様々な分野の電子取引に関して定めています。
  2. コンピュータ犯罪法(Computer Crime Act B.E. 2550 (2007))

 コンピュータ関連犯罪について定めています。

(2) E-コマースビジネス

 タイでE-コマースビジネスを始めようとする場合、まず商業登記が必要となります。

商業登記要件については、商業登記法(Business Registration Act B.E. 2499 (1956))および商業登記義務を負う者に関する商務省規則(No.11)(Regulation of Ministry of Commerce on Persons who Have the Duties for Commercial Registration (No. 11), B.E. 2553 (2010))によって規定されています。

以下の事業を行う者は,E-コマース商業登記を行わなければなりません。

  1. インターネットシステムを介した電子メディアによる商品またはサービスの売買を行うWebサイト事業
  2. インターネットサービスプロバイダ事業
  3. Webホスティング事業
  4. E-マーケットプレイス(インターネットシステムを介した電子メディアによる製品、商品、サービスの売買のための中央マーケット)上の事業

* 商業登記をせずにE-コマース事業を行う個人および法人は、商業登記法に違反したものとみなされ、その違反が是正されるまで日割りで罰金が科されるため注意が必要です。

(3) E-コマース登録手続き

1. Webサイトを完成させ、オンラインサービスを提供できる状態にする必要があります。E-コマース登録は、事業を開始した日から30日以内に完了する必要があります。

2. E-コマース登録の申請先

バンコク内:事業所の所在地に応じた50の区役所(District Office)の行政課、またはバンコク都庁の財政政策室(50区全てをカバー)

バンコク以外:事業所の所在地に応じた市町村や県内の行政機関

3. E-コマース登録の必要書類

(a) E-コマース事業者のタイ国民IDカード及びHouse registrationのコピー

(b) E-コマース登録申請書

(c) Webサイトの詳細

(d) Webサイトの最初のページをプリントアウトしたもの

(e) 事業所在地の地図

(f) 会社の登記証明書(法人の場合)

(g) 委任状(代理人による申請の場合)

* 事業者が外国法人の場合は、労働許可証や外国人事業許可(ある場合)等の提出が必要となります。

* 申請先により、必要書類等が異なる場合があります。

4. 費用

(a) 新規E-コマース登録: 50バーツ

(b) 変更登録: 20バーツ

(c) 事業解消登記: 20バーツ

E-コマース登録が完了すると、オンラインプラットフォームを介してビジネスを行うことができます。

また、この他にE-コマース事業を営んでいることを証明するE-コマース事業者証明書や、E-コマースの信頼性を証明するためのDBD Verified ロゴ等の申請も可能です。このロゴは、その信頼性の度合い等により、シルバー、ゴールド、プラチナの三種類のクラス分けがなされています。