(1) 人数・資格・欠格事項
改正会社法第23条は、取締役会の取締役の人数を15名以内と定めています。旧法における最低人数の規定は削除されました。取締役は、当法人の株式を少なくとも1株所有している必要があります。旧会社法における居住地規定が改正会社法では削除されたため、取締役の過半数あるいは全員が非居住者であっても問題ありません。取締役の国籍に関する制限もありません。ただし、1987年憲法、アンチ・ダミー法や外国投資法などの特別法、業界ごとの規制当局が定めた規則など、その他の関連規則や法律に従う必要があります。
(2) 権限の範囲
取締役会は、会社のすべての業務を遂行し、財産を管理・保有する権限を有しており、株主の承認を特に必要とする場合を除き、原則として会社の主要な意思決定機関として機能します。また取締役会は、経営判断の枠内で会社役員を雇用・解雇したり、会社の役員、委員会、代理人にその権限の一部を委任する権限があります。
(3) 義務および禁止事項
取締役は、(1)服従義務、(2)勤勉・注意義務、(3)忠誠義務の3つの義務に従わなければなりません。服従義務とは、取締役会が、実務上可能な限り、法律で定められた方法、手続の範囲内で行動すべきことを意味します。従って、会社のいかなる行為も、会社法または定款が認めている権限の範囲内で行われなければなりません。勤勉義務とは、取締役会が明白な違法行為に関与、あるいはそれに同意したり、承認したりすることを禁ずるものです。また、会社の業務を管理する上で、不誠実な行為や重大な過失を犯すことも認められません。忠実義務とは、取締役会のメンバーが会社の「特別な受託者」であるという考えを補強するものです。各取締役は、取締役としての義務と相反する個人的または金銭的な利益を得てはならず、自己のために取引することを禁じている事柄に関して、会社に不利な利益を得ようと試みたり、また実際に得たりしてはならないことを意味しています。この義務はまた、第三者から手数料や賄賂を受け取ることや、内部情報を利用して会社に不利益を及ぼすことも禁じています。ただし、利益相反取引に関しては3分の2を有する株主らによる承認がある場合はこの限りではありません。
(4) 選任・解任
取締役を選出・解任する権限は株主総会にあります。