マレーシアにおいては、消費者保護を規定する法令として、消費者保護法(Consumer Protection Act 1999)が存在します。消費者保護法では、第2部で誤解を招く、不実・虚偽等の表示に関する規制、第3部で製品及びサービスの安全性に関する規制、第3a部で不当な契約条件に関する規制、第3b部でクレジットでの販売取引に関する規制、第4部でこれら規制の違反に対する罰則を定めています。以下では、消費者保護法の規定を一部紹介します。
(1) 表示規制
消費者保護法9条は、商品に関して商品の性質、製造プロセス、特性、目的への適合性、有効性、又は数量に関して誤解を招く若しくは欺く、又は誤解を招く若しくは欺く可能性のある表示を行ってはならないと規定しています。
そして、同法10条では、以下のような虚偽又は誤解を招く表示を行ってはならないと規定しています。
- 商品が特定の種類、基準、品質、等級、数量、構成、スタイル、又はモデルであること
- 商品に特定の履歴又は使用歴があったこと
- サービスが特定の種類、標準、品質、又は数量のものであること
- サービスが、特定の人物又は特定の職業、資格、又は技術スキルを持つ人物によって提供されること
- 特定の人物が商品又はサービスを取得することに同意したこと
- 商品が新品又は再生品であること
- 商品が特定の時期に製造、生産、処理、又は再調整されたこと
- 商品又はサービスに、スポンサーシップ、認証、推奨、性能特性、付属品、効用、又は利点があること
- その者がスポンサー、承認、支持、又は提携を持っていること
- 商品又はサービスの需要について
- 条件、保証、権利、又は救済の存在、免責、又は効果について
- 商品の原産地について
また、同法8条では、虚偽、誤解を招く、又は欺瞞的な表現等には、消費者を誤解させる可能性のある表現等が含まれるものと定めています。
上記に加えて、上記表示規制以外にも土地に関する虚偽表示(消費者保護法11条)、価格に関する誤解を招く表示(同12条)、ギフト・賞品・無料提供の表示に関する規制(同14条)等が設けられています。
(2) 安全性に関する規制
消費者保護法19条では、大臣が商品やサービスに関しての安全基準を定めることができると規定しています。大臣が定めた安全基準が存在しない商品やサービスについては、当該商品やサービスの性質を考慮して、合理的な消費者が期待する合理的な安全基準を採用して遵守しなければならないと規定しています。
(3) 不当な契約条件に関する規制
消費者保護法24a条では、全ての状況に照らして、契約に基づいて発生する当事者の権利と義務に重大な不均衡をもたらし、消費者に非利益をもたらす消費者契約を不当な条件と規定しています。
そして、同法24c上では、供給者の行為や契約の条件により供給者に不当に利益又は消費者に不当に不利益をもたらす場合、契約の締結手続が不当であると規定しています。この手続上不当かどうかの判断には、消費者の知識、契約当事者の交渉力の比較等の様々な事情を基に判断します。また、同法24d条では、契約条件又は契約期間が厳しい、抑圧的である、良心的でない、過失責任を除外する等の事情がある場合は実質的に不公平な契約と規定しています。
契約の手続が不当である場合や実質的に不公平である契約と判断された場合、裁判所は契約の条件を執行不能又は無効と宣言することができます。