(1) 社会保障に関する法律
メキシコにおける社会保障を規律する法律としては、社会保障法(Ley del Seguro Social)、国立労働者住宅基金機構に関する法律(Ley del Instituto del Fondo Nacional de La Vivienda para Los Trabajadores)、退職積立金制度に関する法律(Ley de Los Sistemas de Ahorro para el Retiro)が挙げられます。
(2) 管轄機関
社会保険については社会保険庁(IMSS、Instituto Mexicano del Seguro Social)が、労働者住宅基金については労働者住宅基金機構(INFONAVIT、Instituto del Fondo Nacional de La Vivienda para Los Trabajadores)が、年金については全国退職積立金制度委員会(Comisión Nacional del Sistema de Ahorro para el Retiro)が管理を行っています。
ただし、運用においてはIMSSが一括管理を行っているため、社会保障費の支払先はIMSSのみとなります。
(3) 社会保険の加入義務
労働者を雇用した場合、使用者は労働者をこれらの社会保障に加入させる義務を負い、その雇用から5営業日以内に使用者は当該労働者をIMSSに登録しなければならず、その労働者の給与額やその他登録情報の変更等も5営業日以内に行わなければならないとされています。
なお、労働者はIMSSに登録されると、INFONAVITおよび年金にも登録されることとなります。
(4) 社会保障の種類および負担率
以下の表は、社会保障ごとに本ニュースレター発行時点の使用者および労働者の負担の割合をまとめた表となります。SBCとは、Salario Base de Cotizaciónの略称であり、給与、賞与、休暇手当、食事手当、住居手当等の諸手当、現物給付、およびその他労働者に対して支払われるその他の金額を含めた額から算出される日額の算定基準給与額を指します。UMAとはUnidad de Medida y Actualizaciónの略称であり、罰金や制裁金、社会保障費の支払い額算出など様々に使用される単位であり、2022年度の日額は96.22ペソです。

なお、上記老齢失業保険の使用者負担率は、2020年の社会保障法改正に基づき、2023年より労働者の給与額に応じた負担に変更されます。使用者負担率は、2023年から2030年にかけて段階的に引き上げられることとなり、最終的には、労働者の給与額に応じ3.15%~11.875%の負担となります。