「ミャンマーの職場の労働安全衛生に関する法制度の概要」

(1) 労働安全衛生法

2019年3月に労働安全衛生法が公布されました。本法は全ての職場に労働安全衛生に関する事柄を効果的に推進すること等を目的としています。

(2) 労働安全衛生法上の使用者の義務

労働安全衛生法上、使用者は以下の義務を負います(労働安全衛生法26条)。

  1. 職場、作業過程、使用されている機械及び物質の危険性を評価しなければならない。
  2. 職場で起こりうる危険の状況を必要に応じて評価しなければならない。
  3. 規定により労働者が職業病であるか否かを認定医に調べさせなければならない。
  4. (a)(b)(c)項による調査を元に、健康で安全な状況に達するまで職場を管理しなければならない。
  5. 労働省から指定され許可された適当な個人用の防護服、物及び信頼性のある設備を支給し、着用及び使用を確認しなければならない。
  6. 危険のある場合、防止する対策を立てなければならない。
  7. 省が決めた労働者人数より労働者数が多い職場では診療所を置き、登録医及び看護師を雇い、必要な薬及び信頼性のある設備を設置しなければならない。
  8. 使用者を含め、各部局の経営者及び労働者は省が決めた労働安全衛生の講座に出席しなければならない。
  9. 労働者が労働災害又は生命と健康に被害を及ぼしうる状況に遭遇した場合、労働安全衛生の担当者又は管理者に通知する計画を立てなければならない。
  10. 労働者が職場の機器、機械、廃棄物または作業過程により健康を害さないよう、職場の安全を管理しなければならない。
  11. 労働災害が起こった場合、即座に作業を終了し、労働者を安全な所に移動させ、救助する計画を立てなければならない。可能ならば使用者は労働者を安全な所で働かせなければならない。
  12. 労働安全衛生による教育啓発活動のため、掲示、ポスター、案内看板などを条項の通り置かなければならない。
  13. 危険が起こりうる禁止区域に出入りする場合、注意に従うよう管理しなければならない。
  14. 教育、知識、技術を満たすよう、関連省から出版された、労働安全衛生に関する指令を関連する労働者に伝え、啓発して管理しなければならない。
  15. 火事安全の計画を立て、実際に消火器使用の訓練を行わなければならない。
  16. 監査役の観察、書類依頼、証拠の収集を許可しなければならない。
  17. 労働者は危険な労働及び職場で働く場合、指定時間内で働かせなければならない。
  18. 労働安全衛生の費用を払わなければならない。

使用者は次に述べた条件で労働者を解雇する又は役職を下げることはできません(労働安全衛生法27条)。

  1. 職場上の被害による登録医による医療登録又は職業病で認定医による医療登録が受理されていない場合。
  2. 危険又は健康上の問題について苦情を言う場合。
  3. 労働安全衛生委員会の義務を果たす場合。
  4. 職場での災害又は職業病が起こりうる際に継続して作業していない場合。

使用者は、以下の義務も負います(労働安全衛生法29条)。

  1. 登録医の健康診断のもと、企業が必要とする健康レベルを満たしていない労働者を制限し禁止しなければならない。
  2. (a)項により、禁止された労働者が健康である証拠を申告してきた場合、遅延なく元の職場又は適当な職場で再び働くことを許可しなければならない。
  3. 妊婦又は育児中の女性の健康を害さないよう作業及び管理しなければならない。