(1) 上場市場の概要
タイ証券取引所(The Stock Exchange of Thailand : SET)には、SET市場(メイン市場)、mai(Market for Alternative Investment)市場(代替投資市場)、LiVEx(LiVE Exchange)市場という3つの市場が存在しており、それぞれメインターゲットとしている企業が異なります。
- SET市場は、大規模で安定した企業をメインターゲットにしています。
- mai市場は、中小企業向けの市場で、成長性のある企業をメインターゲットにしています。
- LiVEx市場は、2022年9月9日から取引が開始された市場であり、スタートアップ企業や成長を目指す中小企業をメインターゲットとしています。
(2) SET市場について
SET市場は大企業をメインターゲットとしており、払込資本金額が3億THB以上であることが条件として定められています。SET市場への上場には、安定した経営基盤を有していることを示す必要があり、主に以下の条件が定められています。
- 払込資本金額が3億THB以上で上場申請前の払込資本金額が0以上であること
- 過去3年間の営業純利益の合計が5000万THB以上であること
- 時価総額が75億THB以上であり、収益の多くが投資委員会の推進する産業に依ること
- 上場申請以前に3年以上の事業実績があること(少なくとも1年間同一経営陣下での事業活動実績があること)
- 公募後の株式について、1000名以上の少数株主がいること
- 浮動株比率が全株式数の25%以上(払込資本金が30億THB以上の場合は20%以上)であること
- 販売株式数が払込資本金の15%以上であること(払込資本金が5億バーツ以上、または普通株式の価値が7,500万THB以上の場合は払込資本金の10%以上)
- 取締役等が資本市場監督委員会やSET規則の禁止する特性を有していないこと
- 監査委員会がSETの定める基準を満たすこと
- 資本市場監督委員会の定義する利益相反関係がないこと
- 資本市場監督委員会の定めに従った財務諸表があること
- プロビデントファンドが登録済であること
- 上場後1年以内に、SETのガイドラインに従って事業および業績に関する情報を提示すること
(3) mai市場について
mai市場の上場条件はSET市場のものより緩和されており、払込資本金額は5000万THB以上であることが条件として定められています。mai市場では、主に以下の条件が定められています。
- 払込資本金額が5000万THB以上であること
- 直近1年間の営業純利益の合計が1000万THB以上であること
- 上場申請以前に2年以上の事業実績があること(少なくとも1年間同一経営陣下での事業活動実績があること)
- 公募後の株式について、300名以上の少数株主がいること
- 浮動株比率が全株式数の25%以上(払込資本金が30億THB以上の場合は20%以上)であること
- 販売株式数が払込資本金の15%以上であること
その他、SET市場と同様に上記⑧~⑬の条件等が必要となります。
(4) LiVEx市場について
LiVEx市場は、上記の2つの市場とは異なり、最低払込資本金額の制限や、直近年の事業実績基準は定められておりません。LiVEx市場では、主に以下の条件が定められています。
- 中小企業振興庁(the Office of Small and Medium Enterprises Promotion:OSMEP)の定義に基づく中規模企業以上であること
- スタートアップ企業の場合はVC(Venture Capital)またはPE(Private Equity)が共同出資をしていること
- 資金調達額は1~5億THBで、設定した資金調達額の80%以上でなければならないこと
- LiVExの戦略的株主は、全株式の55%分の株式の売却が3年間禁止され、その他の株式について、1年経過及びその後半年毎に20%ずつ売却が可能となる