「マレーシアのドローンに関する法規制の概要」

マレーシアにおけるドローンに関する法令として、1969年民間航空法(Civil Aviation Act 1969)、2016年民間航空施行細則(The Civil Aviation Regulations 2016)及び1998年通信マルチメディア法(Communications and Multimedia Act 1998)があります。

(1)1969年民間航空法

民間航空法はマレーシアにおける民間航空機の運航について規定している主要な法律です。本法に基づき、担当大臣には空港及び航空サービスを提供する目的のためのライセンスの発行権限が付与されています。ライセンス(省庁により付与された空港事業の運営のためのライセンス以外のライセンス)の申請手続きは民間航空局長官による承認を得た上で民間航空局(Department of Civil Aviation)により手続きが進められます。

(2) 2016年民間航空施行細則

民間航空施行細則は、民間航空法に基づき、下位法令として2016年3月31日に施行されました。航空機の登録、運行責任者、乗務員及びエンジニアのライセンス付与、航空機の販売、航空事故の調査、航空機の運航並びに航空機の担保について規定しています。

本施行細則Part XVIにおいて、無人航空機(ドローン)は、3種類規定されています。すなわち、①小型無人航空機(Small unmanned aircraft)、②小型無人偵察機(Small unmanned surveillance aircraft)、③無人航空機システム(Unmanned aircraft system)の3つです。

①小型無人航空機について、気球又は凧以外で、飛行するための設備を設置した、航空機を含む燃料を除いて重量が20Kg以下の無人航空システムを意味します。

小型無人航空機の責任者は飛行させるための許可は不要であるが、安全に飛行させなければならないとされています。また、衝突を回避する目的で、他の航空機、人、車両、船舶及び構造物との関係で飛行経路を監視するのに十分な小型無人機との直接的かつ肉眼的な接触を維持しなければならないとされています(施行細則142条)。

②小型無人偵察機は、いかなる形式の監視又はデータ取得を行うために装備された小型の無人航空機を意味します。

小型無人偵察機は、飛行前に民間航空局長官より許可を得ない限り、以下のいずれかの状況において、小規模な無人監視航空機を飛行してはならない旨規定されています(施行細則143条)。

  • 任意の指定区域上の場合
  • 指定区域から150メートル以内の場合
  • 1,000人を超える人が集まっている上空の場合
  • 1,000人を超える人が集まっている上空の150メートル以内の場合
  • 航空機の責任者の管理下にない任意の船舶、車両又は構造物から50メートル以内の場合
  • 人が50メートル以内にいる場合
  • 離陸又は着陸中に30メートル以内に人がいる場合

③無人航空機システムは、パイロットなしで運航されている航空機及びその関連要素を意味します。

以下の場合における人による航空機の飛行を禁止しています(施行細則140条)。

  • 航空交通サービス(ATS)ルート、ターミナルコントロールエリア(TMA)、コントロールゾーン(CTR)(通常は特定のエリア(空港など)の表面から上限まで)を含むクラスA、B、C又はGの空域)、航空管制措置が要求される場所、継続的な双方向無線通信が必要な場所
  • 飛行場交通ゾーン(飛行場(水上滑走路を含む)やヘリポートなどの飛行機の到着、出発又は移動に使用される地域の指定された寸法を意味する)
  • 地球表面から400フィート以上の高さ
  • 民間航空局長官の許可を得ない場合

いかなる者も民間航空局長官の許可を得ない限り、航空事業目的のための無人航空機システムの飛行は禁止されています(施行細則141条)。

航空機が燃料を含まずに20kgを超える場合、民間航空局長から航空機を飛行させる許可を事前に申請する必要があります(施行細則144条)。

(3) 1998年通信マルチメディア法

 通信マルチメディア法は、担当大臣がライセンスに関連する通達を発布できる旨規定しています。当該規定に基づき、マレーシアの通信マルチメディア委員会(Malaysian Communications and Multimedia Commission)は、無人航空機システムを使用する場合には、特定の技術パラメーターを遵守しなければならない旨の通達を発布しています。