「タイのドローンに関する法規制の概要」

(1) ドローン規制の概要

  タイでは、2015年に遠隔操縦航空機のカテゴリーにおける無人航空機操縦・発信の許可申請規則および条件に関する運輸省の通達(2015)が発表され、ドローンの規制が開始されました。

現在では、上記発表に加え、航空法改正第14号(2019)、放送委員会テレビ事業及び電気通信員会の一般用無人航空機の周波数免許の基準及び条件に関する発表(2020)にもドローン規制の規定があり、タイ民間航空局(The Civil Aviation Authority of Thailand (“CAAT”))とタイ国家放送電気通信委員会(The National Broadcasting and Telecommunications Commission (“NBTC”))が管轄しています。

(2) ドローン登録の規制

  タイでドローンを使用するためには、まずNBTCにて登録を行う必要があります。

また、以下の機体についてはCATTにて別途登録を行う必要があり、同登録にはドローン保険の加入が必須となっています。

  • 録画用カメラを搭載したドローン
  • 重量が2kgを超え25kg以下のドローン
  • 重量が25kgを超えるドローン(当該機体に関しては、飛行の都度、運輸大臣からの飛行許可も必要となります。)

(3) ドローン飛行の規制

  タイのドローン飛行の規制は、機体の重量(2kg以下/2kg超25kg以下/25kg超の3つに区分されています)や使用目的(娯楽・スポーツ目的/その他の目的)によって細かく分かれています。以下は、ビジネスやイベントでドローンを使用する際の主な規制です。

(a) 飛行前における規制

  • 土地所有者の許諾を得ること
  • 登録証またはその写しや消火器を携帯すること
  • 身体生命に関する損害のため、別途保険(最低1回100万バーツ以上)に加入していること
  • 事故時の対応、医療処置、ドローンが制御不能になった場合の解決策等、緊急時の対応策を備えること

 (b)飛行時の規制

  • 制限区域や限定区域、危険区域、官公庁の建物や病院の敷地内では、許可なく飛行してはならない
  • 空港または臨時飛行場から9km以内は許可なく飛行してはならない
  • 日の出から日没までの間で、機体を明確に視認できること
  • 雲の中や近くを飛行してはならない
  • 地上90メートルを超えて飛行してはならない
  • 有人飛行機の近くを飛行してはならない
  • 他人のプライバシーを侵害してはならない
  • 飛行業務に関係のない人、車両、建物に50メートル以上接近して水平飛行してはならない
  • 事故が発生した場合、操縦者または発射者は、ただちに所轄の官公庁に連絡しなければならない

  上記の他にも、細かな規制があり、ドローンの重量や使用目的によっては更なる規制がなされる場合があります。また、各イベントやビジネスの種類や規模によって使用可能な周波数帯が異なるため、ドローンを操縦する際にはこの点にも注意することが必要です。

(4) 罰則規定と今後の動向

上記のように、タイでドローンを使用する際には、機体の登録や様々な規制の遵守が必要です。

運輸大臣の許可を得ずにドローンを使用したり、許可条件に反した場合には、「1年以下の懲役若しくは4万バーツ以下の罰金又はその両方に科す」(航空法改正第14号第78条)との罰則もあります。

また、現在タイではドローン使用の許可申請にあたって、申請者に試験を課す等の改正が検討されているとの情報もあります。今後のドローン規制の動向も含めて逐次確認しておくことが推奨されます。