「メキシコのドローンに関する法規制の概要」

(1) 関連する法令

ドローンの使用に関して、民間航空法(Ley de Aviacion Civil)、メキシコ航空登録規則(Reglamento del Registro Aeronáutico Mexicano)、メキシコ公式規格「メキシコの空域で遠隔操縦航空機システム(RPAS)を運用するための条件NOM-107-SCT3-2019(以下、「本NOM」といいます。)」などを遵守する必要があります。なお、メキシコ公式規格(Norma Oficial Mexicana)とは通称「NOM」と呼ばれ、法的強制力のある規格基準です。

ドローンは、本NOM上の遠隔操縦飛行システム(Remotely Piloted Aircraft System-Sistema de Aeronave Pilotada a Distancia、以下「RPAS」といいます。)に該当します。RPASは、固定翼機、ヘリコプター、マルチコプター又は飛行船などの遠隔操縦航空機とそれに付随する遠隔操縦ステーション、必要な制御装置その他の付属品と定義されています。ただし、建造物内で運用されるRPASについては、本NOMは適用されません。

(2) RPASの分類

本NOMにおいて、RPASは、その用途に従い次の3つに分けられ、下表のように分類されています。RPASの分類によって、守らなければならない基準が異なります。

  • レクリエーション用RPAS (RPAS de uso Recreativo):RPASオペレーターがレクリエーション用に使用する遠隔操縦飛行システム
  • 商用RPAS (RPAS de uso Comercial):RPASオペレーターが営利目的に使用する遠隔操縦飛行システム
  • 非営利かつ個人的使用RPAS (RPAS de uso Privado No comercial):RPASオペレーターが非営利目的に使用する遠隔操縦飛行システム

(3) 共通の規制

 RPASの分類に関わらず、主に以下のような事項については共通して遵守する必要があります。

  • パイロットは、飛行場から9.2km超かつ、ヘリポートから900m超離れた場所で飛行させなければなりません。なお、飛行場やヘリポートは運輸通信省(Secretaría de Comunicaciones y Transportes)の連邦民間航空局(Dirección General de Aeronáutica Civil)がウェブサイトで公表する「飛行場及びヘリポートデータベース(Base de Datos de Aeródromos y Helipuertos)」に掲載されているものを指します。
  • 連邦民間航空局から夜間飛行の許可を得ていない限り、日の出から日没の間に飛行しなければなりません。
  • 航空路誌(Publicación de Información Aeronáutica)で指定されている禁止区域、制限区域、危険区域で飛行してはいけません。
  • 科学研究用のRPASは、連邦民間航空局からの許可、国立地理統計情報院(Instituto Nacional de Información Estadística y Geográfica:INEGI)からの許可及び国防省(Secretaría de la Defensa Nacional)からの許可を得る必要があります。

(4) 分類に応じた規制

本NOMにおいては、上記(2)の分類に応じた規制が設けられています。その詳細を紹介することは紙幅の関係上できませんが、以下、主な規制について紹介いたします。

  • RPASの登録

レクリエーション用RPAS Microで最大離陸重量が0.250kgを超える場合、レクレーション用以外のRPAS Microの場合、RPAS Pequeñoの場合、その所有権、占有権、その他の権利を取得、譲渡、変更、担保、消滅させるための文書を連邦民間航空局のウェブサイトにおいて登録し、RPAS登録番号(Folio)を取得する必要があります。

PRAS Grandeの場合、航空機の国籍を特定するための書類である登録証明書(Certificado de Matrícula)を取得しなければなりません。登録証明書の取得は、RPASの所有権、占有権、その他の権利を取得、譲渡、変更、担保、消滅させるための文書の取得を通じて行われます。

  • 民事賠償責任保険

レクレーション用以外のRPAS Microの場合、第三者への損害賠償を目的とした民事賠償責任保険に加入していることを要します。

レクレーション用以外のRPAS Pequeño及びRPAS Grandeの場合、有効な第三者賠償責任保険契約の承認文書(Oficio de Aprobación de la Póliza de Seguro de Responsabilidad Civil por daños a terceros)を得ていることを要します。

  • 運航許可

レクレーション用以外のRPAS Pequeño及びRPAS Grandeの場合、連邦民間航空局より運航許可を取得する必要があります。

  • パイロットの許可又は免許

レクレーション用以外のPRAS Pequeñoの場合はRPASを操作する者がRPASパイロット許可(Autorización de Piloto del RPAS Pequeño)を得ていること、レクレーション用以外のPRAS Grandeの場合はRPASを操作する者がRPASパイロット免許(Licencia de Piloto del RPAS Grande)を受けていることをそれぞれ要します。パイロットの許可及び免許は、18歳以上であること、生来のメキシコ人であること、講習を受けることなどの要件が定められています。

なお、レクレーション用以外のRPAS Microであって夜間飛行などの特別運行許可を受ける場合は、RPASパイロット許可を有する操作者が操作することが求められるなどの例外もあります。