(1) タイの弁護士について
タイで弁護士として業務を行うためには、試験に合格することは必要不可欠ではなく、また資格取得までの手順も複数あります。
法的なアドバイスを行うのみであれば、タイ弁護士会が承認する機関(通常は大学の法学部)で学位(学士)を取得していれば足りるとされています。他方、弁護士として裁判業務を行うためには、弁護士資格が必要となり、試験に合格した後、一定期間の研修を受けていること等が要件となっています。
(2) タイの弁護士資格を得るまでの過程
タイで弁護士資格を得るための一般的な手続きは以下の通りです。
①タイで法学の学士を取得する
通常、4年間の学部課程を修了することを意味します。
②弁護士資格のための試験に合格する
民事裁判や刑事裁判の書面、契約書の作成などの筆記試験が行われます。
③研修を受ける
弁護士資格取得後7年以上経過し、タイ弁護士会から認証を受けた弁護士のいる法律事務所で実務研修を行います。通常、研修期間は 6 ヶ月であり、この間に実務経験を積みます。
④実技試験に合格する
実際に裁判で使用される書式にしたがって、指定の時間内に訴状や陳述書などを作成します。
⑤口述試験に合格する 口述試験は2~3人の試験委員により行われます。口述試験では、法的知識の他に実務知識に関する質問などがなされます。
⑥弁護士倫理の研修プログラムを修了する
弁護士としての職業倫理や職務上の責任についての研修が行われます。
⑦タイ弁護士会に会員の申請をする
タイ弁護士会に申請を行い、要件や欠格事由の有無が判断されます。欠格事由は、禁固刑以上に処せられたことや、破産宣告を受けたこと、政治以外の公務員や地方公務員でないこと等があげられます。
⑧弁護士登録が完了する
なお、②③については、弁護士資格の試験合格前に、弁護士資格取得後7年以上経過し、タイ弁護士会から認証を受けた弁護士のいる法律事務所で1年間の研修を受け、その後試験に合格することも認められています。この場合、④実技試験は免除されることになります。
(3) 外国人弁護士
タイの弁護士法では、弁護士資格の申請者は、タイ国籍を有する者でなければならないとしています。そのため、外国人がタイで弁護士資格を得ることはできません。もっとも、タイでは外国人が法律コンサルタントとし
て、法的助言を中心に活動することについては弁護士法上、特に制限はありません。