「日本の弁護士資格の概要」

日本では、報酬を得る目的で法律業務全般を行うことができるのは弁護士に限定されます。外国法事務弁護士という資格がありますが、日本法についての法律事務を行うことはできません。国籍要件はありませんので、外国籍の弁護士もいれば、日本籍の外国法事務弁護士もいます。

(1) 弁護士資格

弁護士の資格については、弁護士法(昭和 24 年法律 205 号)に規定されています。

(a) 一般規定

弁護士になるには、司法修習を終え(第4条)、各都道府県にある弁護士会(ただし、東京都については、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の 3 会があります。以下「単位会」といいます。)に入会して、日本弁護士連合会の弁護士名簿に登録する必要があります(第 8 及び 9 条)。

司法修習を終えるには、まず、大学卒業後に 2 年または 3 年の法科大学院を修了するか在学中で学長の認定を受け、または司法試験予備試験に合格することで、司法試験の受験資格を得る必要があります。司法試験に合格した者は、司法修習を希望することができます。司法修習では、1 年間にわたり、司法研修所、裁判所、検察庁、弁護士事務所等で修習を行い、最後に実施される司法修習生考査(いわゆる「二回試験」)に合格することで、司法修習を終えることとなります。

(b) 特別規定

司法修習を終えることなく弁護士になれる特別な場合として、司法試験合格後に裁判所調査官、裁判所事務官、国会議員等の特定の法律に関係する職または法律学の教授・准教授として 5 年以上働いた経験を有する者(第1号)、司法試験合格後に民間企業または公務員として法律に関する専門知識として規定される職務に 7 年以上従事する者(第 2 号)、若しくは 5 年以上特任検事の職にあった者(第 3 号)で、日本弁護士連合会の研修課程を修了したと法務大臣が認定した者(第 5 条)、並びに最高裁判所の裁判官経験者は、弁護士になる資格を有します(第 6 条)。

資格を得た者は、単位会に入会をして、単位会を通じて日本弁護士連合会に登録することで、弁護士として活動することができます(第 8 条、9 条)。

(c) 欠格事由

①禁固以上の刑に処せられた者、②弾劾裁判所で罷免の裁判を受けた者、③懲戒処分により、弁護士会を除名される等し、処分から 3 年を経過しない者、④破産手続開始決定を受けて復権していない者は、弁護士となる資格を有しません(第 7 条)。

(2) 外国法事務弁護士

外国法事務弁護士になる資格は、「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する法律」(昭和61年法律第

66 号、以下「外弁法」といいます。)に規定されています。

外国において日本の弁護士に相当する法律事務を行う資格を有し、かつ資格を得た外国において資格取得後 3 年以上の実務経験を有し(第 12 条第 1 号)、日本または外国において上記(c)の欠格要件に該当しない(第 10 条、第 12 条第 2 号)等の要件を満たす者が、法務大臣の承認を得ることで、外国法事務弁護士となる資格が取得できます。その上で、単位会を通じて日本弁護士連合会に登録請求をし、審査を経た上で登録されること(第 25 条、第 26 条第 1 項)により、そもそも資格を取得した国及びそれ以外の指定を受けた外国の法(第 17 条)についての事務を日本国内で取り扱うことができます。

外国法事務弁護士は、日本で行われる国際仲裁事件では当事者を代理することができますが、弁護士のように日本の裁判所で訴訟代理や行政庁への申立の代理業務を行うことはできません。