「マレーシアの弁護士資格の概要」

マレーシアにおいて弁護士になるには、学位の取得、実務研修及び試験合格が必要です。弁護士資格は、マレーシアの弁護士会によって規制されており、1976 年法律専門家法(Legal Profession Act 1976)に資格要件等が定められています。弁護士になるためには通常3年~5年かかると言われています。また、マレーシアでは弁護士会は強制加入とされています。

マレーシアの弁護士統計データによると、2011年から2023年までの間に、マレーシアの弁護士数は13,672

人から 21,570 人に増加しており、この 21,570 人のうち、9,508 人が男性で、12,062 人が女性です。

(1) 弁護士になるまでの過程

マレーシアで弁護士になるには、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 法学の学位を取得する

マレーシアの法律専門家資格認定委員会(Legal Profession Qualifying Board Malaysia)が認定する法学の学位を取得する必要があります。マレーシアには、マラヤ大学やマラ工科大学等の認められた法学の学位を提供する大学がいくつかあります。また、英国、オーストラリア、ニュージーランドの特定の大学の法学の学位取得者にも後述の CLP の受講を認めています。

マレーシアの特定の大学では、後述の CLP を免除できるプロフェッショナル・イヤーを含む学位を取得することができます。

  1. マレーシアの CLP(Certificate in Legal Practice)又は英国の BPTC(Bar Professional Training Course)を修了する

マレーシアの法律専門家資格認定委員会が実施する 9 ヶ月間のフルタイムの研修を修了する必要があります。マレーシアの司法試験として知られる CLP の試験は厳しく、合格率は毎年 10%から 20%程度と低くなっています。また、英国の職業訓練コースである BPTC を修了する方法を選択することもできます。

  1. Pupillage を修了する

CLP 又は BPTC を修了した後、法律事務所や法務部門で実務研修を行う Pupillage を受ける必要があります。Pupillage は、半島マレーシアでは 9 ヶ月間行われ、この間に、資格を持つ弁護士の監督のもとで働き、法律実務の実践的な経験を積みます。

  1. マレーシア弁護士会へ入会する

Pupillage 修了後、マレーシアの弁護士資格を申請することができます。マレーシア弁護士会が定める人物評価や適性評価等の要件を満たした上で、継続的専門能力開発(CPD)要件を遵守する必要があります。

(2) 外国人弁護士の業務範囲

外国人弁護士は、法律専門家法 28A 条に基づき、マレーシアにおいて法律業務を行うための資格を取得することができます。

外国人弁護士は、マレーシアで外国人弁護士として登録し、国際パートナーシップ、適格外国法律事務所(QFLF)又はマレーシアの法律事務所に雇用されることを条件に、許可された業務領域で業務を行うことができます。国際パートナーシップや QFLF で働く登録外国人弁護士は、1 暦年中に 182 日以上マレーシアに居住しなければならないとされています。また、外国人弁護士は、許可された業務分野において、関連する法的専門知識と経験を有していることを証明できなければならず、選考委員会による推薦、弁護士会が適切と考え

る条件、登録料の支払いといった要件を満たす必要があります。