外国人がインドで就労するためには雇用ビザ(Employment Visa)を取得する必要があります。その他の在留資格としては、インド到着時に空港で取得することも可能な観光ビザ(Tourist Visa)や拠点設立の準備等の目的で取得するビジネスビザ(Business Visa)等があります。以下では、雇用ビザの取得手続等について説明します。
(1) 雇用ビザ取得の要件
以下が雇用ビザ取得のための要件となります。
- 高度な技能や資格を有する専門家でありインド国内の会社等に雇用されている者であること
- ルーティーンワーク、一般的業務、秘書業務等の適任のインド人がいる業務ではないこと
- インド国内の会社で雇用される又はインド国内で実施されるプロジェクトに従事する外国企業に雇用されることを目的とした入国であること
- 一部の業種を除き、年間の給与が25,000米ドルを超えていること
- 納税義務等の全ての法律上の義務を遵守していること
- 出身国のインド大使館(領事館)又は2年以上居住する国のインド大使館(領事館)から雇用ビザが発給されること
- 会社の登記等の就労に関する書類は、徹底的に確認されビザの種類を判断される
- 使用者の名称はビザのシールに印字される
(2) 雇用ビザを申請できるその他の資格
上記(1)の要件を充足した上で、以下に該当する外国人も雇用ビザを申請することができます。
- 月給ではない固定の報酬をインド企業から得る契約に基づきコンサルタントとして入国する者
- ホテルやクラブ等で定期的にパフォーマンスを行うことを目的とした外国人アーティスト
- 国/州レベルのチーム又は著名なスポーツクラブでコーチとして雇用されることを目的として入国する者
- インドのクラブ/組織と特定の期間の契約がある外国人スポーツ選手
- 独立したコンサルタントとしてエンジニアリング、医療、会計、法律のサービスを提供するために入国する自営業の外国人
- 外国語講師/通訳
- 外国の専門シェフ
- 設備や機械等の設置のための契約で設備や機械の設置等のために入国した外国のエンジニアや技師
- 外国企業に手数料やロイヤルティを支払うインド企業にテクニカルサービス、ノウハウの移転等の提供を行うために委任された外国人
(3) 雇用ビザ申請のための必要書類
以下が雇用ビザ申請のための必要書類となります。
- 履歴書
- 日本の会社からの推薦状(無職の場合は自己推薦状)
- インドの雇用会社からのアポイントメントレター
- インドの雇用会社のプロフィール
- 雇用契約書
- インドでは得ることのできない技能を有することの証明書
- インドの雇用会社の登記証明書
- 申請者の住居(ホテル可)が確保されていることを示す書類
(4) 雇用ビザの申請手続
申請者は、オンラインシステム(Indianvisaonline.gov.in)を通じて申請書を作成し提出します。また、申請者は印刷した申請書と必要書類をインド大使館に提出する必要があります。申請が承認された後、申請者は大使館でビザを受領するか、大使館が申請者に郵送で送付します。就労ビザを得てインドに入国した後、14日以内に外国人地域登録局(FRRO)、外国人登録事務所(FRO)に登録する必要があります。