- 概要
ベトナムの営業秘密については、2005 年に制定され、2009 年、2019 年、2022 年に改正された知的財産法に規定されています。知的財産法によれば、営業秘密とは、金融活動または知的投資活動から得られた情報のうち、未公表で、かつビジネスで利用可能なものをいうとされています(知的財産法第4条第23項) 。
営業秘密とみなされるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 財政的、知的、研究的、創造的な投資活動の結果であること。
- 同業他社、公衆、一般消費者に開示されていないこと。
- ビジネスで使用することができ、所有者に経済的利益をもたらすこと。
- 営業秘密の所有者
営業秘密を合法的に取得し、その機密性を保持する組織または個人が営業秘密の所有者になることができます。企業の従業員が業務の一環として営業秘密を取得した場合には、企業と従業員との間で別段の合意がない限り、営業秘密は企業が所有することになります(知的財産法第121条第3項)。
- 営業秘密が保護されるための要件
営業秘密が法的に保護されるための要件は、次のとおりです(知的財産法第84条)。特許などと異なり登録制度はなく、要件を満たせば自動的に保護されることになります。
- 一般的な知識ではなく、容易に入手できないもの。
- 事業活動で使用される場合、その所有または使用しない者よりも、所有者に対して有利性をもたらす者であること。
- 所有者により秘密が保持され、開示されず、容易に入手できないよう必要な措置が講じられているもの。
なお、上記要件を満たすものであっても、以下に挙げるものは営業秘密として保護されません(知的財産法第85条)。
- 個人を識別するための秘密
- 国家管理の秘密
- 国防および安全保障上の秘密
- 業務に関係のないその他の機密情報
- 営業秘密の所有者の権利制限
営業秘密の所有者の権利は無制限ではありません。以下の場合には、営業秘密の所有者は権利行使することができません(知的財産法第125条3項)。
- 第三者が、不正に取得されたことを知らず、または知る理由がなく、取得した営業秘密を開示または使用する場合。
- 公衆を保護するために営業秘密を開示する場合。
- 非営利目的での秘密データを使用する場合。
- 独自に作成した営業秘密を開示または使用する場合。
- 合法的に販売された製品の分析または評価によって生じた営業秘密を開示または使用する場合。ただし、分析者または評価者と営業秘密の所有者または製品の販売者との間で別段の合意がある場合を除く。