(1) 名誉毀損の規定について
タイの刑法典では、名誉毀損罪は326条から333条に規定されています。
326条では、「第三者に対して他人に関する事実の適示をして、人の名誉を傷つけ、憎悪や侮蔑の対象となる可能性を生じさせた者には、名誉毀損罪が成立し、1年以下の懲役若しくは20,000バーツ以下の罰金、又はその両方に処する。」と規定されており、327条では死者への名誉毀損行為についても処罰の対象となりうる旨が規定されています。
(2) SNSでの名誉毀損行為
刑法328条では、「可視化された文書、図面、絵画、映画、画像若しくは文字、音声記録、映像記録又は文字記録を出版することによって、名誉を毀損する行為を行った場合、2年以下の懲役及び20万バーツの罰金に処する」としています。すなわち、タイではメディアを通じて行った名誉毀損行為については、通常の名誉毀損行為よりも厳しく罰せられることになります。
この「可視化された文書、図面、絵画、映画、画像若しくは文字、音声記録、映像記録又は文字記録」にはSNSも含むと考えられており、SNSへの誹謗中傷の投稿も同条により処罰の対象となります。
(3) 名誉毀損の刑事告訴について
タイでは、名誉毀損罪は親告罪であるとされており(刑法333条)、同罪の告訴時効は、被害者が犯行を知り、加害者を知ることができた日から3ヶ月以内とされています(96条)。
また、警察への告訴を行う場合、タイ警察が理解できるように、重要な証拠等についてはタイ語への翻訳を行う必要があるため、注意が必要です。