- バングラデシュにおける最低賃金の概要
バングラデシュでは、「既製服」、「皮革産業」、「陸路輸送」、「プラスチック業」、「テキスタイル」など、産業ごとに最低賃金額が定められており、また、EPZ入居企業(縫製業)の労働者に適用される最低賃金額が定められています。一方、全ての産業にて最低賃金額が定められているわけではなく、高度な技術職、専門職、事務などオフィスワークの労働者を対象とする最低賃金額は定められていません。
- 最低賃金の改訂方法及び罰則
最低賃金の改訂は、2006年バングラデシュ労働法 (以下「労働法」といいます) 第11章の規定に従い、最低賃金委員会の枠組みを通して行われます (労働法、138条乃至149条)。政府が最低賃金を見直すべきと判断した場合、最低賃金委員会に見直しを指示します。指示を受けた最低賃金委員会は、6か月以内に提案を策定し、政府がその提案を官報にて発表し、必要に応じて見直した後、政府の承認を得て定められます。なお、政府が、提案を官報にて通知した後に、使用者や労働者にとって不公平な内容であると認めた場合は、45日以内に最低賃金委員会に是正を指示することができます。是正が必要な場合、最低賃金委員会はその提案を再検討し、政府に再提出します。是正された提案を受領した後、政府は、再び官報を通じて最低賃金率を通知します。
最低賃金委員会は、最低賃金額を検討する際、生活費、生活水準、生産コスト、生産性、製品の価格、インフレ、労働の性質、リスク、事業能力、国その他関連する地域の社会経済状況、その他関連する要素を考慮します(労働法140条)。最低賃金委員会は、これらの要素に変更が生じ、提案を見直す必要がある場合は、最低賃金額を見直して政府に提言しなければなりませんが、提言の後、1年未満または3年を過ぎた場合は除きます(労働法142条)。また、政府は、各分野について、約5年ごとに定期的な見直しを行うと定められています(労働法139条)。
労働法では、最低賃金の違反に対する罰則を設けています。使用者が支払う賃金が最低賃金を下回った場合、1年以下の禁固、5,000タカ以下の罰金、またはその両方が科せられます。同時に、労働裁判所は、最低賃金が守られなかった場合、給与差額の支払いを命じることができます。(労働法149条)。
- 最低賃金の額
2023年11月11日、既製服産業の最低賃金に関する提案が官報にて発表され、大きな注目を集めました。同最低賃金は、2023年12月1日から施行されます。最も低い階級の労働者の最低賃金は12,500TKとなり、2018年の8,000TKから56%引き上げられました。
以下の表は、各分野における最低賃金のうち、発効年、最高額の階級と最低額の階級(ただし、見習いは除く)を抜粋したものです。
DIFE(工場・事業所監督局)のウェブサイトより抜粋