「ベトナムの取締役会の開催手続きの概要」

(1) 外資がベトナムにおいて設立する会社の主要な形態は、i) 有限責任会社と ii) 株式会社がありますが、法律が要求する会社運営、企業統治の内容のシンプルさから、ほとんどの外資企業は i) 有限責任会社を選択しています。有限責任会社に関しては、「社長」(Director)あるいは「総社長」(General Director)が日本の株式会社における取締役に相当する役員として規定されていますが、これらが複数選任されている場合における会議体の構成方法や意思決定方法などについては規定されていません。したがって、「取締役会」に相当する会議体を設置するかどうかや、設置するとしてその開催方法や決議方法などについては、定款や社長・総社長の決定により定めることになります。

(2) 一方、株式会社の場合、3人以上11人以下の取締役を選任し、取締役会を構成するとともに、取締役の中から取締役会会長を選任することになります。取締役会会長は、少なくとも四半期に1回、取締役会を招集しなければなりません。また、取締役会会長は、i) 監査役会又は独立取締役からの請求があった場合、ii) 社長若しくは総社長又は5人以上の企業管理者(会長、取締役、社長若しくは総社長、及び定款が規定するその他の管理職)からの請求があった場合、iii) 2名以上の取締役からの請求があった場合、iv) 定款に規定する場合には、取締役会を招集しなければなりません。このうち、 i) から iii) の請求があった場合には、取締役会会長は、請求があった日から7営業日以内に取締役会を招集しなければならないとされています。もし、請求があったにもかかわらず取締役会を招集しなかった場合、取締役会会長は、これにより会社に生じた損害を賠償しなければならず、また、請求者は、取締役会会長に代わって取締役会を招集することができるとされています。

取締役会の招集通知は、定款に異なる定めがある場合を除き、遅くとも開催日の3営業日前までに送付しなければなりません。

取締役会は、取締役総数の4分の3以上が出席しなければ成立しないとされていますが、これに満たない場合、本来の招集日から7日以内(定款により短縮可)に再度に2回目の招集を行い、この2回目の招集に対して過半数の取締役が出席すれば、取締役会は有効に成立します。