1.概要
マレーシアでは、試用期間に関する法律上の定めは存在しません。なお、実務では、試用期間は雇用開始日から3か月間ないし6か月間として定めることが一般的な取り扱いとなっています。また、後述のとおり、判例法理により、試用期間中の従業員を解雇する場合には、正当な理由が求められます。
2. 試用期間中の従業員に対する解雇規制
会社が試用期間中の従業員を解雇することの当否については、単に試用期間の満了を理由とするのみでは当該解雇は認められず、会社が当該従業員を本採用しないと判断したことについて合理的な理由が存在する等の正当な理由(cause and excuse)が認められない限り、当該解雇は無効と解されています(the Court of Appeal in Khaliah bte Abbas v. Pesaka Capital Corp Sdn Bhd [1997] 3 CLJ 827.)。
もっとも、正当な理由については、本採用された従業員に対するものよりも緩やかに判断され、本採用しないことについて合理的な理由の有無の判断にあたっては、当該従業員の成績だけではなく、性格や勤務態度等についても、考慮要素となると考えられています。
裁判例には、会社が従業員に対する評価基準として定めていた7項目のうち、当該従業員が達成したのは3項目であったという点に着目し、解雇を有効と判断したものがあります(Industrial court of Malaysia, Hari Bala R Parasuraman v Johnson Controls(M)Sdn Bhd[CASE NO: 3/4-1299/06])。
ただし、本採用をしない場合においても、会社は従業員に対して、同人の評価が基準以下である旨注意喚起をした上、同人に対して改善の機会を与えることが求められると考えられます。






