(1) 賞与に関する規制
日本では賞与が賃金としての性格を有するのに対し、タイでは、賃金を、時間、日、週、月その他の「通常の労働時間」の労働の対価と定義しており(タイ労働者保護法5条)、賞与は「通常の労働時間」の労働の対価ではないため、賃金には含まれないとされます。
また、タイの労働者保護法には、賞与に関する明文規定はありません。
ただし、実際には、雇用契約や就業規則等で賞与について定めている企業は珍しくなく、雇用契約や就業規則の内容は労働条件となる以上、賞与について定めた場合には、それに従わなければなりません。
(2) 賞与制度の運用
先述のとおり、賞与について具体的な法的規制等はないため、支給時期や支給額の定め方等は企業によって様々であると考えられます。支給時期については12月とするものが多いほか、年に2回支給する例もあります。支給額については企業や業種、年度等によって様々であり、業績変動型の仕組みを取り入れている例もあります。