(1) 懲戒処分の種類
インドネシアの懲戒処分については、①警告、②減給、出勤停止、③懲戒解雇の種類があります。懲戒処分に関する法制には、労働法2003年第13号(2022年の雇用創出に関する政府規則に関する法律第2号を改正した労働法2003年第6号)、労使関係紛争解決法2004年第2号、および年政府規則2021年第35号(期間契約労働契約、アウトソーシング、労働時間および休憩時間、解雇に関する政府規則)、2023年法律第6号に定められており、規則と手順に従って実施しなければなりません。
(2) 懲戒処分のための手続き
警告書に関しては、労働法第161条第1項で規定されています。インドネシアでは、従業員が就業規則、雇用契約書などに違反したとしても、すぐに解雇することは難しく、警告書を3回発行する必要があります。3回目の警告書を発行してから6カ月以内に、再度従業員が違反した場合に、初めて解雇することができ、3回目までに発行された、それぞれの警告書の有効期間は6カ月間です。
3回目の警告書を発行した後に解雇となった場合、雇用主と従業員が支払額やその他の権利や義務について合意し、雇用主と従業員は合意契約書(Perjanjian Bersama)を作成する必要があります。その後、雇用主は合意契約と雇用契約解除の理由をインドネシアの労使関係裁判所(Pengadilan Hubungan Industrial Indonesia)に登録し、合意契約登録証明書(Akta Pendaftaran Perjanjian Bersama)を取得する必要があります。
(3) 解雇手当
会社が従業員を解雇することになると、①退職金、②功労金、③権利補償手当など、企業に対する特定の義務が生じます。解雇は雇用主と従業員の合意の下で決定され、規定としては以下があります。
①退職金は、勤続期間が1年未満で固定給の1ヶ月分、2年未満で2ヵ月分、3年未満 で3ヶ月分と勤続年数に比例して増えていき、8年以上からは9ヵ月分で一定です。 ②功労金は、3年以上6年未満で固定給の2ヵ月分、6年以上9年未満で3ヶ月分、9年以上12年未満で4ヵ月分と勤続年数に比例して増えていき、24年以上は10ヶ月分で一定です。 ③権利補償手当には、未消化分の有給休暇の買取など、勤務期間に受けられるはずだった権利を補償する義務を指します。
警告書を発行した懲戒解雇の場合、①退職金については計算した金額の0.5倍、②功労金、③権利補償手当は計算金額をそのまま支給する必要があります。(法律2023年第6号)