(1) 懲戒処分の種類
懲戒処分の種類は会社ごとに様々ですが、一般的には、戒告、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇等が挙げられます。
(2) 懲戒処分に関する規制
懲戒処分にあたっては、あらかじめ、就業規則において懲戒処分の種類と懲戒事由を定めてくことが必要とされます(フジ興産事件。最高裁昭和平成15年10月10日)。なお、就業規則は、労働者への周知と内容の合理性を要件にその有効性が認められるため(労働契約法7条)、懲戒に関する就業規則の規定についても、その内容が合理的であることが求められます。
また、懲戒処分を行うにあたっては、対象となる労働者に対し懲戒事由を告知し弁明の機会を与える等適正な手続きが履践されていることが必要であり、そのような手続きを就業規則中に定めておくべきです。
なお、懲戒権の行使が権利の濫用とならないよう注意が必要です。この点、懲戒処分の内容が不相当に重い場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認できず、権利の濫用と判断される可能性があります(ネスレ(日本)懲戒事件。最高裁平成18年10月6日)。