「ベトナムにおける懲戒処分の種類・内容・手続きに関する法規制の概要」

ベトナムの労働法において、懲戒処分は、使用者が、法令で認められている範囲内で、就業規則において定めるべきものとされています。就業規則で定めることができる懲戒処分の内容としては、譴責、最長6か月の昇給猶予、降格、解雇の4つがありますが、1つの違反行為に対して複数の懲戒処分を課すことは禁止されています。懲戒処分の時効期間は、違反行為が行われた日から6か月、財務、資産、技術・営業秘密の漏洩に直接関係する違反の場合は12か月です。懲戒処分の手続の概要は次のとおりです。

  • 使用者は、従業員に対して懲戒処分を行う場合、労働規律処分会議を開催しなければなりません。
  • 労働規律処分会議には、懲戒処分を受ける従業員が所属する基礎レベル労働者代表組織を参加させなければなりません。
  • 使用者は、労働規律処分会議を開催する少なくとも5営業日前までに、その会議の内容、日時、場所、懲戒処分の対象となる者の氏名、懲戒処分の対象となる違反行為について、会議の参加者に通知し、会議開催前に参加者が確実にその通知を受け取ることができるようにしなければならなりません。
  • 従業員は、弁護士又は労働者代表組織に弁護を依頼する権利があります。
  • 労働規律処分会議の内容については議事録を作成し、会議終了前に確認された上で、出席者が署名しなければなりません。