「ミャンマーにおける海外からの借入に関する規制の概要」 

(1) 規制の概要

2020年はじめに、ミャンマー中央銀行よりオフショアローン承認申請に関する基準を変更する内容の告知が発布されました。ミャンマーでは、外国から借入れを行う場合、事前に中央銀行より当該借入れの承認を得なければならず、承認を得ずに送金を行うと、返済時に貸主への海外送金が認められません。

(2)  中央銀行の承認基準

ミャンマー中央銀行は、申請者から提出された所定の書類を基に以下の事実を検討及び精査し、申請を承認又は拒否します。

  1. 申請者がMIC許可会社の場合、資本金がUSD500,000を超えているか否か
  2. 申請者が投資企業管理局(DICA)で登記された会社の場合、資本金がUSD50,000を超えているか否か
  3. 申請者(借用人)の外国為替収入が一致しているかどうか
  4. 借用人が、ミャンマー国内事業から生じた通常収入から融資の返済が可能かどうか、及び、申請者が外国為替の収入を有する場合は、為替リスクを軽減する見通しがあるかどうか
  5. 借用人が既にMIC許可で約束された資本金の80%を送金しているか否か
  6. 申請者の企業がMIC許可会社の場合、負債比率が最大4対1以内か否か
  7. 申請者の企業がDICA登録会社の場合、負債比率が最大3対1以内か否か
  8. 融資契約及び書類に記載されている取引条件が正確に作成されているか否か
  9. 融資額保有期間が中期及び長期の場合も、返済計画が融資契約と一致しているか否か