⑴ 不正発覚時の対応
従業員の不正が発覚した場合、まずは調査を行い、不正の全体像を把握し、証拠を保全することが重要です。もっとも、不正を行っていることが強く疑われるものの、証拠が残っていないこともあります。
(2) 証拠が十分な場合
証拠が十分な場合、告訴を行ったり、民事訴訟を行うことも可能です。もっとも、いずれも時間や費用を要することから、いきなりそのような手段を採るのではなく、まずは従業員にそのような証拠を示し、返金義務を含めた退職合意書等に署名を取得し、返済が滞った場合に法的措置を採る場合も多いです。また、不正を理由にした懲戒解雇も可能です。その場合には、解雇手当の支払いも不要です。
(2) 証拠が十分ではない場合
証拠が不十分な場合、不正を理由とする解雇は難しいことから、できる限り従業員と交渉して退職合意書に署名を取得し、退職してもらうこととなります。その際の条件については、どれだけ不正を示す関連証拠を事前に収集できるかによっても交渉力が異なります。