(1) 会社形態
ベトナムの現行企業法の下では、設立時に選択可能な企業形態が複数あり、そのうち国内外の投資家により最も一般的に選択されているのは、以下の2つです。
- 有限責任会社(LLC):これには、一人有限責任会社(個人が所有者である一人有限責任会社及び組織が所有者である一人有限責任会社)及び二人以上有限責任会社が含まれます。
- 株式会社(JSC)
企業の最高意思決定機関の有効な会合を招集し、対応する決議を採択するための条件に関しては、企業形態に応じて異なる規定が適用されます。企業は、定款/会社規程(以下「定款等」といいます。)において、会合の招集及び決議の採択に関する独自の条件及び要件を定めることができますが、当該条件及び要件は、適用される法定要件のものより緩やかであってはなりません。なお、各企業形態における最高意思決定機関は、一人有限責任会社の場合は所有者(なお、組織が所有者である一人有限責任会社においては、当該組織がその代理として行動するために代表者のグループを任命することができ、当該グループは社員総会と称されます。)、二人以上有限責任会社の場合は社員総会、株式会社の場合は株主です。
詳細については、以下の法定規定をご参照ください。
(2) 有限責任会社(LLC)という企業形態に関して
① 個人が所有者である一人有限責任会社の場合
個人所有者は、自身の決議の発行を通じて、企業の全ての事項を決定する排他的権限を有します。
② 組織が所有者である一人有限責任会社の場合
現行規定により、組織所有者は、以下を含む2つの組織構造モデルのうちいずれかを適用することが認められています。
(a) 会長及び社長/総社長
会長は、社長/総社長の権利及び義務を除き、決議の発行を通じて、所有者の代理で、所有者のために、全ての事項を決定する排他的権限を有します。
(b) 社員総会及び社長/総社長
3~7名の代表者のグループが社員総会を構成することができます。社員総会の会合は、その構成員の3分の2以上が出席した場合に有効とみなされます。
社員総会は、書面で意見を聴取する方式により、決議及び決定を承認することができます。ただし、当該決議又は決定は、次のとおり承認されることを条件とします。(i) 定款等の改正、会社の再編、又は会社の定款資本の全部又は一部の譲渡の場合には、出席構成員の75%以上又は総議決権の75%を超える議決権を有する出席構成員数による承認。(ii) その他の事項の場合には、出席構成員の50%以上又は総議決権の50%を超える議決権を有する出席構成員数による承認。社員総会のいかなる決議又は決定も、その承認日から、又はそこに定める別の効力発生日から有効になります。
③ 2人以上有限責任会社の場合
社員総会は、少なくとも年1回招集されるものとし、社員総会の会長の要請により、又は定められたとおり社員もしくは社員のグループの要請により招集され得ます。社員総会の会合は、(i) 1回目の会合の場合、定款資本の65%以上を有する社員が出席したとき、(ii) 1回目の会合が招集できなかった場合の2回目の会合において、定款資本の50%以上を有する社員が出席したとき(iii) 2回目の会合が招集できなかった場合の3回目の会合において、定款資本の任意の割合を有する社員が出席したときに、有効とみなされます。
社員総会は、会合での決議、書面で意見を聴取する方式、又は定款等に定める他の方法により、決議及び決定を承認することができます。ただし、当該決議又は決定は、次のとおり承認されることを条件とします。
- 総会での決議による場合:(1) 最新の財務諸表に記載された総資産の50%以上に相当する資産(又は定款等に定められたそれ以下の比率又は価値)の売却、定款等の改正、会社の再編、又は会社の解散の場合には、出席社員全員のうち出資持分の75%以上を有する出席社員数による承認、(2) その他の事項の場合には、出席社員全員の総出資持分の65%以上を有する出席社員数による承認。
- 書面で意見を聴取する方式による場合:定款資本の65%以上を有する出席社員数による承認。
社員総会のいかなる決議又は決定も、その承認日から、又はそこに定める別の効力発生日から有効になります。
(2) 株式会社(JSC)という企業形態に関して
株主総会(GMS)は、少なくとも年1回招集されるものとし、取締役会若しくは監査役会の要請により、又は定められたとおり株主又は株主のグループの要請により招集され得ます。株主総会は、(i) 1回目の会合の場合、50%以上の議決権を有する株主が出席したとき、(ii) 1回目の会合が招集できなかった場合の2回目の会合において、33%以上の議決権を有する株主が出席したとき、(iii) 2回目の会合が招集できなかった場合の3回目の会合において、任意の割合の議決権を有する株主が出席したときに、有効とみなされます。
株主総会は、その決議及び決定を、議決又は書面で意見を聴取する方式により、承認することができます。当該決議又は決定は、以下のとおり承認された場合に、適法に採択されたものとみなされます。
- 累積議決による採択:取締役会及び監査役会の構成員の選任に関する決議及び決定にのみ適用されます。
- 総会での議決による採択:(i) 会社の事業分野の変更、会社の組織構造の変更、最新の財務諸表に記載された総資産の35%以上に相当する資産の投資又は売却、会社の再編又は解散、株式の種類及び各種類の数量、並びに定款等の規定に関する場合には、出席株主全員の議決権総数の65%以上を有する出席株主数による承認、(ii) 優先株主の権利及び義務の変更の場合には、総会に出席し同一種類の優先株式の75%以上を有する優先株主数による承認、(iii) その他の事項の場合には、出席株主全員の議決権総数の50%以上を有する出席株主数による承認。
- 書面で意見を聴取する方式による採択:(i) 優先株主の権利及び義務の変更の場合には、同一種類の優先株式の75%以上を有する優先株主数による承認、(ii) その他の事項の場合には、議決権を有する株主全員の議決権総数の50%以上を有する出席株主数による承認。






