(1) 株主総会の運用方法
メキシコの株式会社においては、株主総会は株主によって構成される会社の最高意思決定機関であり、会社の全ての行為および業務について決議の対象とすることができます。株主総会には、通常総会(Asamblea Ordinaria)と特別総会(Asamblea Extraordinaria)が存在し、決議事項により区分され、決議要件等に違いが表れます。
株主総会の招集は、原則として取締役もしくは取締役会または監査役が行います。監査役が欠けた場合は取締役会が3日以内に監査役選任のための株主総会を招集し、期間内に招集しない場合には株主は裁判所に対し招集を請求できます。また、資本金の33%以上に相当する株式を有する株主は、書面により株主総会の招集を取締役会または監査役に請求できます。さらに、2年連続で総会が開催されていない場合等には、1株の株主でも招集を請求できます。総会は、定款に定められた方法による事前通知をもって、経済省の電子システムに公告することにより招集されます。定款に記載がない場合は、総会の15日前までに通知を行います。
株主は代理人(株主であるかを問わない)により議決権を行使でき、代理権は定款所定の方法、定めがない場合は書面で与えられます。取締役および監査役はいずれも代理人になることはできません。株主の種類が複数ある場合は、特定の種類株主の権利を害する可能性のある議案につき、影響を受ける種類株主による特別総会での事前承認が必要となります。自己または他人のために会社の利益に反する利益を有する株主は、その取引についての審議を棄権しなければならず、違反した株主は、その株主の議決権行使がなければ決定に必要な過半数を得られなかった場合には、損害賠償責任を負います。議決権拘束契約も認められますが、裁判所の判決がある場合を除き会社に対して対抗力を有しません。株主総会によって適法に採択された決議は、会社法の規定に基づく異議を申し立てる権利を行使した場合を除き、欠席または反対した者に対しても、拘束力が及びます。
(2)株主総会の決議要件
通常総会の決議事項は、会社法182条に定める特別総会決議事項に該当しない事項です。そのほか、(i) 会社法172条に定める取締役の事業報告について監査役の報告を考慮して審議し、承認または修正し、適切と思われる措置を講じること、(ii) 取締役、取締役会および監査役の選任、(iii) 定款で定められていない場合は、取締役および監査役の報酬の決定が、通常総会決議事項と特に定められています。通常総会における定足数は資本金の2分の1以上に相当する株式を有する株主の出席であり、決議要件は出席した議決権の過半数です。通常総会は、会計年度終了後4か月以内に開催されることが規定されています。
特別総会の決議事項は、会社の存続期間の延長、存続期間前の解散、資本金の増減(ただし可変資本制の場合は不要)、会社の事業目的の変更、会社の国籍変更、会社の組織変更、合併、優先株式の発行、自己株式の消却と享受株式の発行、社債発行、定款の変更、法律または定款で特別定足数を必要とする全ての事項です。特別総会はいつでも開催可能であり、定足数は、定款で別の定めがない限り資本金の4分の3以上に相当する株式を有する株主の出席、決議要件は資本金の2分の1以上に相当する議決権です。






