「ベトナムのトピック、最新の法令等の紹介について」

(1) ベトナム投資法の改正に伴う新規制

2025年の投資法である法律第143/2025/QH15号(以下「2025年投資法」といいます。)が2026年3月1日から施行されます。以下は、本改正法のポイントです。

(2) 条件付投資分野の大幅な削減・縮小

2025年投資法では、以下のような事業が条件付投資分野から除外されます。この除外に関する規定は、2026年7月1日から施行されます。

  • 税務手続業、通関手続サービス業、保険補助サービス業、労働者派遣サービス業、保管サービス業
  • 留学コンサルティングサービス業、美容整形サービス業
  • 商業検査サービス業、冷凍食品の一時輸入・再輸出業、使用済み物品リストに属する物品等の一時輸入・再輸出業 など

(3) 外国投資家は、法人設立前に投資プロジェクトを有する必要がなくなりました

2025年投資法第19条第2項は、外国投資家が、事前の投資プロジェクトを要することなく法人を設立できることを認めましたが、市場アクセス条件を満たさなければなりません。具体的には、次の通り規定されています。「外国投資家は、投資登録証明書の交付又は調整の手続を行う前に、投資プロジェクトを実施するための経済組織を設立することができ、経済組織の設立手続を行う際には、本法第8条に定める外国投資家に対する市場アクセス条件を満たさなければなりません。」

したがって、法人設立前に投資プロジェクトを要するとしていた旧規定と比較すると、取扱いが異なります。

(4) 海外投資手続の簡素化

2025年投資法では、海外投資政策の承認手続を廃止し、海外投資登録証明書を必要とするプロジェクトの範囲を縮小しました。政府は、許認可手続が免除されるプロジェクトについて詳細規定を定める一方、外国為替管理及び国家の財政安全保障に関する監督措置を追加します。

(5) 投資プロジェクトの運営期間に関する規定の調整

2025年投資法は、経済特区以外のプロジェクトについて最長50年、同区内のプロジェクトについて最長70年という上限を引き続き維持します。もっとも、本法は、70年の期間が適用される範囲を、ハイテクパーク、集中型デジタル技術パーク、及び特別投資優遇の対象となるプロジェクトにまで拡大します。また、2025年投資法は、プロジェクトの期間満了時に、運営期間を延長する仕組みを設けています。すなわち、投資家が法令上の条件を満たし、かつ、当該プロジェクトが旧式技術を使用しておらず、環境汚染のリスクを生じさせず、また、国家への無償資産移転を要する類型に該当しない場合、投資家は延長を申請することができ、各延長期間は上記の最長期間を超えないものとされます。

(6) 投資方針承認の対象となるプロジェクトの範囲の明確化

2020年投資法では、投資方針承認を要するプロジェクト群を直接定義しておらず、各機関の権限に応じて規定するにとどまっていましたが、2025年投資法第24条は、同プロジェクトの類型を20種類、具体的に列挙しています。例えば、以下の通りです。

  • 大規模又は配慮を要する土地・資源を使用するプロジェクト:大面積の森林用地(特用林・保護林・生産林)の転用、500ヘクタール以上の稲作地の転用、大規模な再定住を伴うプロジェクト、国防・治安に影響する地域のプロジェクト、海域の割当を求めるプロジェクト。
  • 特別かつ配慮を要する分野に属するプロジェクト:原子力発電、カジノ及び賭博、石油・ガス加工、航空運送、ネットワークインフラを伴う電気通信、再植林、外国投資家による出版・報道。
  • 文化遺産及び特別級の都市区域に関連するプロジェクト:国家記念物又は世界遺産として保護される区域のプロジェクト、特別級の都市の開発制限区域又は歴史的中心区域のプロジェクト。
  • 大規模インフラ及び不動産プロジェクト:住宅建設、都市区域(投資家が既に土地使用権を有する場合)、ゴルフ場、工業団地・輸出加工区・デジタル技術区、大規模港湾、空港及び重要航空インフラ。
  • 特別要件を伴うプロジェクト:土地の割当・賃貸又は土地使用目的変更許可の申請(一定の除外事由を除きます)、法令に定めのない特定の制度・政策の適用を要するプロジェクト、法令により首相の承認権限に属すると定められるその他のプロジェクト。