(1) 投資要件に関する規制変更の概要
2025年10月2日に、投資に関する規制について変更があり、インドネシア投資・下流産業省(以下「BKPM」といいます)は BKPM規則2025年第 5 号(以下「新規則」といいます)を施行しました。本規則は従来のBKPM規則2021年第 3、4、5 号(以下「旧規則」といいます)を統一した形となります。旧規則では、外資系企業が会社設立後の事業許可取得に際して満たす必要がある最低払込資本金の金額基準が100億ルピアだったのに対し、新規則においては25億ルピアに引き下げられています。以下では、新規則におけるインドネシア投資に関する主要な変更点についてご紹介します。
(2) 最低払込資本金
旧規則では、外資系企業の会社設立時に最低払込資本金が 100 億ルピア必要と規定されていたのが、新規則において 25 億ルピアに引き下げられました(新規則第 26 条)。一方で、外資系企業の土地、建物を除いた最低投資額(Nilai Investasi)の基準については、引き続き100 億ルピア以上が必要となり、会社設立後、将来的に100億ルピア以上の投資を行うことが必要です(新規則第 26 条)。
ただし、事業への最低投資の判断基準において、一部規制緩和されており、旧規則では、飲食業において、1事業ロケーションごとに100億ルピアの投資が必要でしたが、事業ロケーションの定義が県 (Kebupatan)、または市(Kota)単位となり、同県・市内であれば、複数の店舗等を営むことが可能となり、また、電気自動車充電ステーション事業においても、投資額が州(Probinsi)単位で計算されることが規定され、同州内であれば複数拠点での事業運営が可能です(新規則第 26 条)。さらに、100億ルピアの投資額は、土地建物を除いた金額で計算することが通例ですが、a)不動産業、b)宿泊施設、c)プランテー ション、e) 畜産、f) 養殖に関する事業においては、土地、建物を投資額の判定に含めることが可能となりました(新規則第 26 条)。
(3) 経済特区(KEK)に関する規制
事業活動が製造・加工経済特区(以下、「KEK」といいます)、ロジスティクス・流通KEK、研究・デジタル経済・技術開発KEK、観光KEK、エネルギーKEK、および/またはその他のKEK 内の事業活動の場合は、投資事業分野に関する大統領令の規定に則るとされ(新規則第26 条)、現行の投資事業分野に関する大統領令2021年第10号では、KEK内の技術系スタートアップ企業の外国投資については、土地と建物を除く投資額が100億ルピア以下での投資が可能と規定されており(投資事業分野に関する大統領令 2021 年第 10 号第 8 条第 2 項)、今後、新規則の制定を受けて、新たに改訂されることが予想されます。
(4) 払込資本金の引き出し
払込資本金は、払込時点から12カ月間、事業体の銀行口座から移動してはならないことが新規則において、新たに、規定されています。ただし、資産の購入、建物の建設および/又は、事業運営のための支出に用いる場合はこの限りではありません。また、事業許可はオンラインシステム(OSS システム)において、取得されますが、OSSシステムでの事業許可取得申請時に、自己申告として申請内容や事業活動計画に虚偽がないことについて、表明手続きを実施することが新たに規定され、虚偽投資の防止についても強化しています(新規則第 27 条)。






