(1) はじめに
フィリピンで小売業や飲食業への進出を検討する場合、外資規制の確認は重要事項です。特に注意したいのは、外国人の出資比率によって、必要となる資本金が変わる点です。
(2) 小売業とは
フィリピン法上、「小売業」とは、消費者に対して商品を反復継続して直接販売する事業をいいます。そのため、一般消費者向けの販売は小売に該当し、卸売業はこれに含まれません。また、レストランも小売業に含まれるものとして扱われています。
(3) 外資が入る小売業の主な規制
① 40%超を外国人が保有する場合の資本金規制
外国人が40%を超えて株式を保有する小売事業では、払込資本金(Paid-up Capital)を2,500万PHP以上とする必要があります。もっとも、この規制は、あくまで外国人が40%超を保有する小売事業に適用されるものです。したがって、たとえばフィリピン人60%・外国人40%の出資構成であれば、この要件は問題になりません。
② 1店舗あたりの最低投資額
また、外資規制の適用対象となる小売業では、1店舗あたり最低1,000万PHPの投資額も求められます。ここでいう投資額には、店舗建物、リース資産、家具、設備、在庫などが含まれます。オンラインで行う小売では、商品を保管する倉庫が「店舗」とみなされます。
(4) 小売規制の除外
小売の外資規制には一定の除外があります。たとえば、ホテルに付随するレストランです。実務上、これに該当するケースは多くないと考えられますが、規制の適用対象外となる可能性があるので、実施予定の事業の位置付けは念のため確認しておくことが望ましいです。
(5) まとめ
フィリピンの小売業に関する外資規制は、以下の流れで整理することができます。
・その事業が「小売業」に該当するかを確認する
→ 該当する場合、次に進む。なお、該当しない場合でも、他の外資規制が適用される可能性がある。
・小売の外資規制の適用対象外に該当しないかを確認する
→ 例外に該当しない場合、次に進む
・外国人の出資比率が40%を超えるかを確認する
→ 40%を超える場合、次に進む
・払込資本金2,500万PHP以上を満たしているかを確認する
→ 満たしていない場合、小売業を行うことはできない






