フィリピンで設立した会社を閉鎖・清算する場合、主に以下の3つの方法があります。それぞれの手続きの概要とメリット・デメリット、BIRタックスクリアランスとの関係についてご紹介します。
- 定款による期間短縮(Dissolution by Shortening Corporate Term)
(1) 概要
株主総会の特別決議により定款を変更し、存続期間を短縮して会社を解散する方法です。短縮後の期間満了日が到来した時点で、法律上当然に精算の効力が生じます。
(2) メリット
•裁判所を介さず、手続きが比較的シンプル。
(3 )デメリット
•BIR閉鎖手続(閉鎖監査・タックスクリアランス取得)は必須であり、数年単位で長引くことがある(これは他の方法と同じ)。
•定款による期間短縮の場合、期間満了により解散は法律上自動的に効力が生じるため、SECから「解散証明書(Certificate of Dissolution)」は発行されません。第三者に対して清算・解散を証明する公的書類が残らない点に注意が必要です。
- 裁判所における清算手続き(Court-Supervised Dissolution)
(1) 概要
会社が解散後、残余財産の処分・債務の弁済などを裁判所の監督下で行う方法です。特に債権者が複数いる場合や財産の整理が複雑な場合に利用されます。
(2) BIRタックスクリアランスとの関係
裁判所の監督下で清算を進める場合も、最終的にBIRの閉鎖手続きおよびタックスクリアランスの取得が必要です。清算人が選任され、清算プロセスの一環としてBIRによる監査に対応します。
(3) メリット
•裁判所が清算人の選任・監督を行うため、公正性・透明性が高い。
•債権者や第三者との紛争リスクを軽減できる。
•清算完了後は裁判所の命令により解散が確定し、公的な記録として残る。
(4) デメリット
•手続に時間とコストがかかる(数年単位になることも)。
•BIR閉鎖手続き(閉鎖監査・タックスクリアランス取得)は必須(これは他の方法と同じ)。
- SECによる自発的解散(SEC Voluntary Dissolution)
(1) 概要
フィリピンのSECに申請して会社を閉鎖する方法です。債権者に影響がない場合は取締役会の過半数決議+株主の過半数決議、債権者に影響がある場合は裁判所への申立を経て手続きを行います。原則、債権者がいない場合、負債がない場合にしか使えません。
(2) BIRタックスクリアランスとの関係
SECへの申請書類としてBIRタックスクリアランス(税務クリアランス証明書)の提出が必須です。
(3) メリット
•SECから正式な「解散証明書(Certificate of Dissolution)」が発行される。清算・解散の事実を第三者に対して公的に証明できる。
•負債がなく財産整理が単純な場合は費用・時間を抑えやすい。
(4) デメリット
•BIRタックスクリアランスの取得がSEC申請の前提条件となるため、全体の手続き期間が長くなりやすい。
•年次報告(GIS・財務諸表)の未提出など法令違反があると手続きが複雑化する。
フィリピンでの会社清算は、会社の状況(負債の有無、株主構成、解散証明書の要否など)によって最適な方法が異なります。早期に専門家へ相談されることをお勧めします。






