メキシコのトピック、最新の法令等の紹介

2026年6月11日から7月19日まで、FIFAワールドカップ2026が、メキシコ、アメリカおよびカナダの3か国で開催されています。メキシコは、1970年大会および1986年大会に続き、2026年大会で史上初めて3回目の開催国となりました。メキシコでは、メキシコシティ、グアダラハラおよびモンテレイが開催都市となっています。
(1) メキシコ入国について
メキシコ国家移住庁は、ワールドカップ開催に関連して、550万人を超える来訪者を受け入れる準備を進めている旨を公表しており、大会期間中は、通常時よりも多くの外国人がメキシコに入国することが見込まれます。
もっとも、ワールドカップ開催期間中のメキシコ入国管理については、観戦者向けの包括的な特別入国制度が設けられているわけではなく、通常の制度を前提として、大量渡航に対応する運用が行われています。日本国籍者については、観光、商用等の目的でメキシコに180日以内滞在する場合、報酬を受ける活動を行わない限り、査証は免除されます。なお、査証免除の対象となる場合でも、入国時に必ず180日間の滞在が認められるわけではありません。外務省海外安全情報によると、滞在許可日数は、滞在目的、帰国便の日付、その他提出書類により判断されるため、入国時に許可日数を確認する必要があるとされています。
(2) 開幕日における特別措置
 連邦官報で公示された政令に基づき、2026年6月11日のワールドカップ開幕戦当日には、メキシコシティに拠点を置く連邦行政機関に対し、業務上必要な範囲を除き、公務員についてテレワーク等の柔軟な勤務形態を実施するよう命じました。ただし、医療、災害対応、国家安全保障、公共安全、出入国管理、交通・通信・エネルギー等の重要インフラ、ワールドカップ運営に直接関係する業務、住民対応など、現場での対応が必要な業務は対象とされていません。また、メキシコシティの民間部門および社会部門に対しては、不要不急の事務系業務についてテレワーク等の柔軟な勤務形態を実施することが要請されました。さらに、同日、メキシコシティに所在する公立・私立学校は休校措置が取られました。
(3) 大会期間中の注意喚起
ワールドカップ期間中の多数の来訪者を見据え、メキシコ政府は、健康管理、安全確保および詐欺被害防止に関する情報発信を行っています。保健省は、ウェブサイト上で複数言語により、メキシコ滞在中にワールドカップの試合を観戦する際の健康上のアドバイスや全国病院ネットワークを紹介しています。また、市民安全・保護省は、情報・サイバー捜査・技術作戦部門を通じて、ワールドカップ開催に際し、デジタル媒体を通じて宿泊施設、交通機関、観光サービスを手配する際の詐欺被害を防ぐための推奨事項を公表しました。同省は、実在しない宿泊施設や交通サービス、偽のウェブサイト、過度に安価なサービス等に注意し、公式サイトまたは信頼できる事業者を通じて予約を行うことなどを推奨しています。さらに、メキシコ政府とFIFAは、ワールドカップの安全確保に向けた調整テーブルを設置しており、大会期間中の安全対策について、政府機関と大会関係者の間で連携が行われています。
(4) 産業財産権の保護
ワールドカップの開催に伴い、公式ロゴ、エンブレム、出場国のユニフォーム等に関連する商品や広告・販促活動が増加しています。開幕に先立ち、メキシコ産業財産庁は、ワールドカップに向けた知的財産保護の取組みとして、メキシコシティにおいて模倣品取締りを実施し、FIFAの文字商標および大会エンブレム、スポーツ用品ブランド等に関連する商標権侵害の疑いがある商品約66,000点を押収した旨を公表しました。また、産業財産庁は、ワールドカップに関連して、商業施設、一般市民およびメディアに対し、産業財産権を尊重し、法令を遵守するよう呼びかけています。