(1) AI法
近年、人工知能(AI)技術の目覚ましい発達により、企業でもAIを活用する例が増えてきています。
従来、日本にAIに関する法制度は存在していませんでしたが、昨年6月より、日本で初めてのAI関連法である「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(以下「AI法」といいます。)の施行が始まっています。
同法では、「人工知能関連技術」を、人工的な方法により人間の認知、推論及び判断に係る知的な能力を代替する機能を実現するために必要な技術並びに入力された情報を当該技術を利用して処理し、その結果を出力する機能を実現するための情報処理システムに関する技術、と定義しています(AI法2条)。
AI法の主な対象は国や地方公共団体であり、国よる人工知能基本計画の策定、政府における人工知能戦略本部の設置、地方公共団体による地域の特性を活かした施策の策定等、人工知能の研究開発や開発の促進のための取り組みが定められています。
他方、一部、AIを活用する企業を対象とした条項も存在します。
AI法は、人工知能関連技術を活用した製品又はサービスの開発又は提供をしようとする者その他の人工知能関連技術を事業活動において活用しようとする者を「活用事業者」と定義しており、活用事業者の責務として、自ら積極的な人工知能関連技術の活用により事業活動の効率化及び高度化並びに新産業の創出に努める責務及び国・地方公共団体の施策に協力する責務を定めています(AI法7条)。
これらの責務は罰則を伴うものではなく、あくまでも努力義務的な性格を有するものです。
ただし、国は、人工知能関連技術の研究開発及び活用の動向に関する情報の収集、不正な目的又は不適切な方法による人工知能関連技術の研究開発又は活用に伴って国民の権利利益の侵害が生じた事案の分析等、様々な調査・研究を行い、その結果に基づいて、活用事業者等に指導、助言、情報の提供その他の必要な措置を講ずる権限があります(AI法16条)。
どのような指導等が行われるのかは今後の動きを見ていく必要がありますが、罰則を伴わずとも、行政から指導を受けた場合には、当該企業の社会的信用にも影響を与える可能性があるので注意が必要です。






