ミャンマーのトピック、最新の法令等の紹介

第1.ミャンマーにおける外国会社該当性と外資規制

ミャンマーに進出する日系企業にとって、自社又は投資先会社が「外国会社(foreign company)」に該当するか、また、予定する事業が外国投資家に認められているかは、事業開始後も継続的に確認すべき重要な論点です。

1.外国会社となる基準

Myanmar Companies Law 2017(ミャンマー会社法)上、ミャンマーで設立された会社であっても、外国人又は外国法人が直接又は間接に35%を超える持分を保有又は支配する場合、「外国会社」に分類されます(同法2条(c))。

したがって、例えば日本企業がミャンマー企業の株式を34%保有する場合には、原則として当該ミャンマー企業は外国会社とはなりませんが、35%を超えて保有すると外国会社となります。

なお、DICA(Directorate of Investment and Company Administration)は、外国会社となった場合又は外国会社でなくなった場合には、DICAへの通知及び年次報告書(Annual Return)上のステータスの更新が必要であるとしています。

 2.外資規制との関係

重要なのは、会社法上の「外国会社」該当性と、外国投資に対する事業規制は別問題という点です。

Myanmar Investment Law及び関連するMIC(Myanmar Investment Commission)の規制上、外国投資については、①外国投資家による100%出資が認められる事業、②ミャンマー国民又はミャンマー企業とのJVが必要となる事業、③外国投資が禁止される事業、④関係省庁の承認等が必要となる事業などに区分されます。

したがって、日本企業がミャンマー企業の株式を35%以下取得する場合であっても、対象会社の事業内容や外国投資家としての権利取得の可否を別途確認する必要があります。

3.実務上特に注意すべき場面

日系企業では、以下のような場面で問題となりやすいです。

  • ミャンマー企業への新規出資・追加出資
  • 日本企業とミャンマー企業とのJV設立
  • 既存株主からの株式取得
  • 株式譲渡・増資による外国持分比率の変動
  • グループ内再編による間接的な外国保有比率の変動
  • 事業追加・変更に伴う外資規制該当性の確認

特に株式譲渡や増資については、単純に日本側の持分が35%以下だから問題ないと判断するのではなく、直接・間接の保有関係、実質的な支配関係、対象会社の事業内容、MICその他関係当局の許認可を併せて確認することが重要です。

4.継続的な留意点

既にミャンマーに進出している日系企業についても、過去に取得した許認可や会社登記上の情報と、現在の株主構成・取締役構成・事業内容・実際の事業運営が一致しているかを定期的に確認することが望ましいです。

特に、今後M&A、増資、株式譲渡又はJV再編を予定している企業は、取引実行前に、①外国会社該当性、②対象事業に対する外資規制、③MIC Permit/Endorsementその他の許認可、④DICAへの届出・登記、⑤既存許認可への影響、を一体として確認する必要があります。