メキシコのトピック、最新の法令等の紹介

(1)エネルギー多消費事業者に関する行政規定の概要

2026年9月30日、メキシコの連邦官報において、エネルギー多消費事業者の登録及びエネルギー管理システムの導入に関する一般行政規定が公布され、翌10月1日に施行されました。本規定は、国家エネルギー効率利用委員会(Comisión Nacional para el Uso Eficiente de la Energía: CONUEE)が定めたもので、対象者の判定基準、登録手続、年次報告及びエネルギー管理システムの要件等を規定しています。本規定の施行に伴い、従前の2018年11月15日公布の一般行政規定は廃止されました。

(2) 対象となる事業者及び登録義務

対象となるエネルギー多消費事業者(Personas Usuarias de Patrón de Alto Consumo: UPAC)は、メキシコ国内に施設を有する個人又は法人で、前年の暦年における施設の年間電力消費量が45ギガワット時(GWh)を超えるか、又は年間燃料消費量が原油換算7万バレルを超える者です。なお、燃料消費量の算定に当たっては、輸送に使用されるエネルギーは除外されます。

対象者は、前年の消費量が上記基準を超えたことを認識した場合には直ちに、又はCONUEEからUPACとして特定された旨の通知を受けた場合には通知後15営業日以内に、登録を行う必要があります。登録は無料で、電子システムを通じて行います。法人の場合は設立文書、該当する場合は法定代理人の権限を証する文書等を提出し、登録する施設ごとに所在地及び事業内容を入力します。

(3) 年次報告及びエネルギー管理システム

UPACは、毎年3月1日から5月31日までの間に、前年の情報を施設ごとに報告する必要があります。報告事項には、エネルギーの種類別の月間消費量、生産した物品又はサービスの月間数量、省エネルギー及び脱炭素化のために実施した措置、そのエネルギー面及び経済面での成果、エネルギー管理システムの導入状況が含まれます。

また、登録施設は、現行の国際規格ISO 50001又は該当する同等のメキシコ公式規格に基づくエネルギー管理システムを導入し、維持する必要があります。同システムは、施設の総エネルギー消費量の少なくとも80%を対象としなければなりません。このほか、3年以内に実施されたエネルギーレビューに基づく目標の設定、エネルギー性能指標及び改善のための行動計画の策定、運用・保守管理、必要な情報の文書化、施設ごとのエネルギー管理責任者の指定等が求められます。

(4) 認証取得期限及び経過措置

UPAC登録簿に初めて登録する施設は、登録日から1年以内に、エネルギー管理システムの認証取得を証明する必要があります。この期間は延長できないとされています。一方、既にUPACとして特定されている者は、遅くとも2028年1月までに、現行のISO 50001に従って認証されたエネルギー管理システムを備える必要があります。当該認証の有効な証明書は、品質インフラ法に基づき国内で認定された認証機関が発行し、UPAC登録簿を通じてCONUEEに提出するものとされています。

CONUEEによるエネルギー管理システムの導入状況の検証は、2027年6月から開始されます。また、新たな電子システムが利用可能となるまでの間は、従来のCONUEEのウェブサイトを通じて情報の受付等が継続されます。