- フィリピンにおける消費者保護に関する法制概要
フィリピンにおいて、消費者保護の分野は、非常に重要な分野だと位置づけられており、憲法においても、国家は取引上の不正行為および規格外または危険な製品から消費者を保護しなければならない旨が規定されています。これをうけ、フィリピン消費者法(the Consumer Act of the Philippines, approved on 13 Apr 1992)が制定されています。この法律は、基準や罰則を課すことにより、消費者を保護するための主要な法律として位置づけられています。
2. フィリピン政府の政策勧告
消費者保護について、フィリピン政府の消費者保護グループは、政策勧告第 22-01 号を発表し、以下の8つの権利を消費者基本権として列挙し、各権利の法根拠も併せて示しています。
- 基本的ニーズを満たす権利
- 安全への権利
- 情報を得る権利
- 選択する権利
- 表示に関する権利
- 救済を受ける権利
- 消費者教育を受ける権利
- 健康状態を守る権利
消費者の権利が侵害された場合、消費者は、その侵害について、管轄する司法機関に民事訴訟を起こすことができます。
3. 行政措置
フィリピン消費者保護法について、違反事由があると判断された場合、政府は、違反者に対して行政措置を開始することができるとされています。行政措置に関する調査に先立ち、消費者仲裁人が選定され、和解することを試みる場合もあります。当事者が、行政措置の決定を不服とする場合は、法令の手続を経たうえで、最終的には、裁判所へ訴えを提起する場合もあります。
なお、苦情の申立て方法としては、ウェブサイト上で、苦情申立てフォームが開設されており、消費者がこれを利用することで、消費者保護法違反発見の端緒となる可能性があります。