(1) 弁護士の要件
メキシコでは、弁護士として活動するための特別な資格は存在せず、法学位を取得し、「Cédula Profesional」と呼ばれる登録証をもって弁護士として活動できることとなります。法学位を取得するための要件は各教育機関によって異なり、連邦行政機関における 480 時間の奉仕活動と一定以上のスコアを有することの他、論文やインターンシップが課される場合もあるようです。
「Cédula Profesional」は、公教育省(Secretaría de Educación Pública)が発行する、専門的学習の修了と職業を実践するための知識を有することを証する証明書となります。また、同時に国家専門家登録簿(Registro
Nacional de Profesionistas)に登録されていることが証されます。
法学位の付与が決定されると、教育機関はこれを公教育省に通知し、国家専門家登録簿へ登録します。「Cédula Profesional」は、教育機関から当該学生に渡されることが多いようですが、本人自身の申請により公教育省から取得することもできます。
国家専門家登録簿は一部公開されており、氏名を用いて「Cédula Profesional」の有無を検索することも可能です。(Registro Nacional de Profesionistas)
なお、国籍による制限もなく、外国人であっても、メキシコの法学位及び「Cédula Profesional」を取得すれば、メキシコの弁護士として活動することができます。
(2) 法廷に立つための要件
前述のとおり、「Cédula Profesional」を有していれば、弁護士として活動できますが、法廷に立つ場合は、別途登録が必要となります。連邦管轄の裁判の場合、連邦司法府(Poder Judicial de la Federaciòn)の裁判所に登録を申請し、弁護士単一登録システム(Sistema Computarizado para el Registro Único de Profesionales del Derecho)に登録されることとなります。一度登録されれば、連邦管轄のいずれの裁判所でも弁護士として法廷
1 國井弘樹「ミャンマー現地調査報告」ICD news 52 号、8 頁(2012 年)に立つことができます。また同様に、州の裁判所での裁判の場合は、州の定めに従い裁判所に登録を行うことで、弁護士として法廷に立つことができます。
(3) 弁護士会
日本と異なり、メキシコでは弁護士会の設置は義務付けられていません。任意の弁護士協会(Barra de Abogados や Colegio de Abogados)が複数存在します。弁護士にも、これらの団体への所属は義務付けられていません。