「ベトナムの弁護士資格の概要」

(1) ベトナム弁護士資格

ベトナムで弁護士資格を取得するためには、ベトナム国民であること、大学の法学部を卒業して法学士資格を取得すること、所定の研修(研修施設における弁護士業務研修及び法律事務所等における実務修習)を修了することが必要です。

(2) 弁護士業務研修・実務修習

法学部を卒業して弁護士になろうとする者は、まずは、司法省が設置している弁護士業務研修施設において、12か月間の研修を受けることになります。研修施設はハノイとホーチミンにあります(法律上は12か月と規定されていますが、カリキュラム上、実際には18か月程度の期間となることもあるようです。)。

業務研修を修了すると、弁護士修習生資格が与えられ、法律事務所において弁護士の指導の下で、実際

の弁護士業務を行いながら実務修習を受けることになります。実務修習の期間は12か月です。

(3) 弁護士実務修習結果評価試験・弁護士免許交付

実務修習を修了した者は、ベトナム弁護士連合会が実施する「弁護士実務修習結果評価試験」を受けることになります。この評価試験に合格した者に評価試験証明書が交付されます。合格率は、およそ 40%から 50% 程度です。

弁護士実務修習結果評価試験に合格した者は、地方弁護士会に弁護士免許交付申請書を提出します。地方弁護士会は申請書類を審査した上で地方の司法局へ申請書類を送付し、最終的には中央の司法省での審査を経て弁護士免許が交付されることになります。

(4) 外国の弁護士資格を有している場合

上記のとおり、ベトナムで弁護士になるためにはベトナム国籍を有している必要がありますが、外国において弁護士資格を取得している者については、「外国弁護士」資格を取得することも可能です。外国弁護士資格を取得するためには、

・外国の権限のある機関・組織によって交付された有効な弁護士免許を保有すること ・外国の法律、国際法に関する助言を行った経験があること

・ベトナム社会主義共和国の憲法、法律及びベトナム弁護士職務倫理規定の遵守を約束することが必要とされています。

なお、外国弁護士は、ベトナムの裁判所において、当事者の代理人、弁護人として訴訟に参加することは認められていません。

(5) 外国法律事務所の支店又は外国法律会社の設立

ベトナムでは、弁護士が個人として法律事務所を開設する他に、法律会社(日本の弁護士法人に相当)を設立して弁護士業務を行うことが可能ですが、外国の法律事務所は、ベトナム国内に支店を開設したり、100% 外資の法律会社(外国法律会社)を設立することも可能です。