(1) 概要
インドでは、就業時間や時間外労働等に関する規制は、それぞれの州の店舗・施設法において規定されています。
なお、2020年に就業時間や時間外労働を定めた連邦法である労働基準法典(THE OCCUPATIONAL SAFETY, HEALTH AND WORKING CONDITIONS CODE, 2020)が公布されています。労働基準法典は未施行ですが、施行後は当該法典の規定に従うことになります。
(2) デリーの規制
デリーの就業時間や時間外労働に関する規制は、1954年デリー店舗及び施設法において規定されています。
1.就業時間について
いかなる労働者も施設の業務に関して1日に9時間を超えて、又は週に48時間を超えて働くことは許されず、使用者は当該就業時間の上限規定に合わせて1日の労働時間を固定しなければなりません(デリー店舗及び施設法8条)。労働時間は、連続労働時間が5時間を超えないように定めなければならず、また、いかなる労働者も、少なくとも30分の休憩又は食事の間隔を置かず5時間を超えて労働することを要求され、又は許可されてはなりません(デリー店舗及び施設法10条)。また、休憩又は食事の時間を含めて商業施設では10時間30分を超えないように労働時間を定めなければなりません(デリー店舗及び施設法11条)。
2. 時間外労働について
労働者は、上記時間を超えて働くことを許可又は要求される場合がありますが、週に 54 時間を超えないようにする必要があります(デリー店舗及び施設法8条)。また、年間の時間外労働の合計時間は150時間を超えることはできません(同条)。時間外労働に対しては、時間単位で計算される通常の賃金の2倍の賃金を支払う必要があります(同条)。
(3) その他の州の規制
その他の主要な州の規制は以下の通りです。


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