「バングラデシュの賃金の支払方法に関する法規制」

賃金の支払いに関する規定は、バングラデシュ労働法(以下「労働法」という)及び輸出加工区労働法(以下「EPZ労働法」という)にて定められており、大きな違いはありません。以下の記載は、特に断りがない限り、労働法及びEPZ労働法に共通する規定です。

1.現金払いの原則

労働法及びEPZ労働法では、すべての賃金はバングラデシュ通貨タカの現金又は銀行小切手によって支払われるものと規定し、労働者から要請があれば、銀行振込みによる支払いを認めていますが、2023年所得税法にて、賃金の支払いは、銀行振込などの電子決済によるものと義務づけられました。

 2. 賃金の支払い期間

賃金計算期間は1ヶ月を超えてはならず、賃金は、締め日から7日営業日以内に支払われなければなりません。

 3. 賃金控除

労働法では、同法にて定められる項目以外を賃金から控除することはできません。基本給からの控除ができる項目として、罰金(制限あり)、無断欠勤、労働者の怠慢による損失、使用者により支給されている住居、政府が認める使用者が支給する設備、前払いや賃金の過払いの調整、所得税、裁判所による命令、積立基金の積立金、労働組合費等が挙げられています。

EPZ労働法では、基本給からの控除が可能な項目として、積立基金への積立金又は前借りの返済、労働組合費、無断欠勤による控除が定められています。