「日本の裁判所の種類及び各裁判所が取り扱う紛争の概要」

(1) 概要

憲法は、「すべて司法権は,最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と定めており(憲法76条1項)、これを受けて、高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所の4種類の下級裁判所が裁判所法によって設置されています。

(2) 取扱事件について

日本は三審制の国であり、通常、第一審を簡易裁判所または地方裁判所、控訴審を地方裁判所または高等裁判所、上告審を高等裁判所または最高裁判所が担当します。より具体的には、訴額が140万円を超える場合には地方裁判所、140万円以下の場合には簡易裁判所がそれぞれ第一審を管轄します。ただし、当事者の合意があれば、140万円以下の場合でも地方裁判所を第一審とすることができます。

また、家庭裁判所では、離婚や相続等に関連する家事事件や、未成年者による犯罪等の少年事件を取り扱っています。

なお、事件によっては、特定の裁判所のみが第一審を管轄する専属管轄が法定されている場合があります。専属管轄が法定されている場合、当事者の意思によって管轄裁判所を定めることはできません。例えば、特許権等に関する訴えは、東日本については東京地裁が、西日本については大阪地裁が、それぞれ専属管轄を有しています。このほか、会社関連の訴訟で、株主が株主代表訴訟を提起する場合は、当該株式会社の本店の所在地の地方裁判所が専属管轄を有しています。