「タイにおける剰余金の配当に関する手続きや規制の概要」

(1) 配当決定の手続き

配当は、株主総会の決議に基づいて行われなければなりません(民商法1201条1項)。

ただし、取締役が、中間配当を行うための利益があることが明らかであると判断したときは、取締役の判断で中間配当を行うことができます(同条2項)。

  また、配当の支払は、配当決定の決議から1か月以内に行われる必要があります(同条4項)。

(2) 配当の支払に関する規制

配当の原資は利益のみであり、また、会社に累積赤字がある場合には、当該累積赤字がなくなるまでは配当ができません(民商法1201条条3項)。

また、配当を実施する都度に会社は、会社の資本額の10分の1以上に達するまで、利益の20分の1を利益準備金として積み立てる必要があります(同法1202条1項)。

会社が、これらの規制に違反して配当を行った場合、会社の債権者は株主に対し、配当を受けた金額を会社へ返還するよう請求することができます。ただし、配当が規制に違反していることを知らなかった株主については、返還を強制されません(同法1203条)。