「メキシコにおける剰余金の配当に関する手続きや規制の概要」

⑴ 配当の手続きについて

メキシコでは、配当金の支払いは、財務諸表が株主総会によって承認され、利益があった場合にのみ行うことができるとされています(会社法第19条)。

配当は、株式の出資の履行の金額に比例して行われ(同法第117条1段落)、株式の発行日から3年を超えない期間は、年率9%を超えない配当を付す旨を定款で定めることができるとされています。定款で定められた場合、配当の額は一般経費に計上する必要があります(同法第123条)。

また、株券発行会社においては、株券に「クーポン」が添付されており、切り離して会社に示すことで配当をうけることができます(同法第127条)。

⑵ 違法配当について

 前述のようにメキシコでは、財務諸表が株主総会によって承認され、利益があった場合にのみ配当を行うことができます。

このような事情が無いにもかかわらず、会社が配当を行った場合、当該配当は法的効力を持たず、会社および債権者は、配当を受け取った者に対して訴訟を提起するか、支払った役員等に対して弁済を求めることができます。また、配当を受け取った者と支払った役員等は連帯して責任を負うことになります(会社法第19条)。