(1) 定義と対象
インドネシアでのインサイダー取引に関する規定は、1995年資本市場法第8号(以下、「資本市場法」といいます)に記載されています。
資本市場法において、インサイダー情報とは、内部者が保有しており、一般には公開されていない重要情報と定義され、内部者には、(a)上場会社または公開会社の取締役、監査役、または従業員、(b) 上場会社または公開会社の主要株主、(c)上場会社または公開会社との職務・専門職または業務関係により、インサイダー情報を得ることが可能な個人、(d) (a)〜(c)に該当していた者で、過去6か月以内にその地位を退いた者が含まれます(資本市場法第95条)。また、内部者から不正にインサイダー情報を取得した者も禁止規定の対象となります。
(2) 禁止規定と罰則
インサイダー情報を用いて、他者に当該証券の売買を促すこと、インサイダー情報を第三者に提供すること、不正にインサイダー情報を取得し、それを基に取引を行うことは禁止されています。(資本市場法第96、97条)。
上記に違反した場合、最長10年の拘禁および最大150億ルピア(Rp15,000,000,000)の罰金が科される可能性があります(資本市場法第104条)。