インドにおける製造物責任については、2019年消費者保護法(Consumer Protection Act, 2019。以下「消費者保護法」といいます)が定めています。
消費者保護法は、製造物責任(product liability)を、製造物またはサービスの製造者または販売者が、製造または販売された製造物またはサービスの欠陥(defect)によって消費者に生じた損害を賠償する責任であると定義しています(消費者保護法2条(34))。
この点、欠陥(defect)とは、法律または(明示・黙示を問わず)契約に基づき維持することが求められている、または、当該製造物について事業者が主張している品質、数量、効力、純度、基準等に関する不備をいいます(消費者保護法2条(10))。
| 製造物製造者 (product manufacturer) | 製造物に関連するサービス の提供者 (product service provider:) | 製造物販売業者 (product seller) |
| ① 製造物に製造上の欠陥がある場合 ② 製造物に設計上の欠陥がある場合 ③ 製造仕様からの逸脱がある場合 ④ 製造物が明示的な保証に適合していない場合 ⑤ 製造物に損害を防止するための適切な使用方法の説明または不適切な使用や誤った使用に関する警告が含まれていない場合 | ① 提供したサービスが、現行法、契約、その他の規定に基づき求められる品質、性質、履行方法において、欠陥等があった場合 ② 作為・不作為、または、故意・過失による情報隠蔽により損害が発生した場合 ③ 損害を防止するための適切な指示または警告を発しなかった場合 ④ サービスが明示的な保証または契約条件に適合していなかった場合 | ① 損害を引き起こした製造物の設計、試験、製造、包装、またはラベル表示について実質的な支配力を行使していた場合 ② 製造物を変更または修正し、当該変更または修正が損害を引き起こす実質的な要因となった場合 ③ 製造物製造者による明示的な保証とは独立して、製造物について明示的な保証を行ったが、当該製造物が製造物販売業者の明示的な保証に適合していなかった場合 ④ 当該製造物の製造物製造者が不明であるか、または判明していても、通知、訴状、令状の送達が当該製造物製造業者に対して実施できないか、またはインドで施行されている法律の対象とならないか、または制定された、または制定される予定の命令が当該製造物製造業者に対して執行できない場合 ⑤ 当該製造物の組み立て、検査、または保守において合理的な注意を払わなかった、もしくは、当該製造物の販売中に、製造物に関連する危険性または適切な使用に関する製造物製造業者の警告または指示を伝えず、かつ、当該不履行が損害の直接の原因であった場合 |
同法のもと、各事業者は、以下の場合に賠償責任を負うことになります(消費者保護法84~86条)。






